中国の王毅外相は6日、韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)部長と韓中外相会談を行った席上、韓国政府による終末高高度防衛ミサイル(THAAD)追加配備について、「改善が進む両国関係に冷水を浴びせ、遺憾だ」と述べた。

 これに対し、康長官は「THAAD追加配備は韓国国民の生命と安全を守るために、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が防衛的な意味で下した決断だ」と説明した。

 王外相は同日の公開発言で、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射については言及せず、韓国政府によるTHAAD発射台4基の追加配備決定のみを非難した。

 今回の外相会談はASEAN地域フォーラム(ARF)に合わせ開かれたもので、王外相は記者団が見守る中、「文大統領の就任以降、(韓国は)中国の正当な関心事項に配慮する姿を見せたが、やむを得ず(THAAD問題を)指摘しなければならない」と述べた。

 王外相は会談後、記者団に対しても、「康長官に『THAADで北朝鮮のICBMを防ぐことができるのか』という問題を提起した。その答えは明らかだ」と述べ、「安全保障に関する韓国の関心事が中国の不安を引き起こしてはならない」と主張した。

 さらに、「康長官に『韓国が米国主導のミサイル防衛システムに加わることが韓国の利益にかなうと思うのか』とも尋ねた。この問題について、韓国は真剣に考えるべきだ」とも発言した。

 康長官は会談後、「虚心坦懐(たんかい)に対話を行い、特にTHAAD問題について時間を割いた。韓国は北朝鮮による挑発がエスカレートする状況で、(発射台)4基の追加配備を決めた背景について十分説明した」と述べた。

マニラ=イム・ミンヒョク記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/07/2017080700749.html


THAAD:韓国外相、中国外相に「報復撤回」言及できず

 中国側は6日にマニラで開かれた韓中外相会談で、韓国政府による終末高高度防衛ミサイル(THAAD)追加配備への非難に会談時間の相当部分を割き、韓国に圧力をかけた。

 王毅外相は取材陣が見守る前でもTHAADに関連し、「韓中関係に冷や水」「過去の誤った行動」などといった外交上異例の言葉を連発した。

 韓米などASEAN地域フォーラム(ARF)加盟27カ国の外相が相次いで会談した際、議題の大半が北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に対する非難と安保理決議履行意思の確認だったのとは対照的だ。

■康長官、中国側に「THAAD報復撤回」言及できず

 韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官が就任後、王外相との公式な外相会談は今回が初めてだ。王外相は康長官と握手する際にも笑わず、会談でも終始硬い表情を崩さなかったという。

 王外相は公開された冒頭発言で「文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任以降、過去の誤った行動と中国側の正当な関心事項に対する配慮を行動で示した。これは両国関係の良い始まりだと思う」と述べた。

 形式的には文大統領の対中関係改善姿勢を評価し、韓国のTHAAD配備が「過去の誤った行動」であることを強調した格好だ。その上で、王外相は、THAAD発射台4基の追加配備について、「改善が進む両国関係に冷や水を浴びせる決定だ」と指摘した。

 引き続き、非公開の会談でも王外相は一方的に「講演」するかのようにTHAAD問題をしつこく取り上げたという。

 会談後、王外相は待ち受けた記者団にも「康長官に対し、『THAADでICBMを防ぐことができるのか』『なぜこれほど急いでTHAADを配備するのか』『米国のミサイル防衛(MD)に加わることが韓国の利益にかなうと思うのか』『韓国国民はそれを受け入れるのか』などといった疑問を提起した」と語った。

 その上で、「韓国が安全保障に関心を持つことは理解するが、韓国の関心事が中国の不安を引き起こしてはならない。THAAD問題は両国関係の正常な発展に影響を与える」と述べた。THAAD問題への言及が長引き、会談時間は当初予定の30分を大幅に上回る55分続いた。

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>>2以降に続く)