韓米首脳、56分間にわたり電話会談  
文大統領「北朝鮮の核問題は平和的・外交的解決すべき」 
対北朝鮮先制打撃論など意識したように 
核・ミサイルには強い圧迫と制裁 
南北対話との「ツー・トラック」アプローチを再確認

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領が7日午前、56分間にわたる電話会談を行い、北朝鮮の相次ぐ大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の試験発射など、朝鮮半島の安保状況について韓米両国の共同対応策を話し合った。

 国連安全保障理事会が前例のない強力な対北朝鮮制裁決議を採択し、米国で北朝鮮を狙った「予防戦争」、「先制打撃論」の声が上がっている状況で、文大統領は「強力な圧迫と制裁」には共感しながらも、「究極的には平和的かつ外交的な方法で解決すべき」という点を強調した。

 パク・スヒョン大統領府報道官はブリーフィングで、「韓米両国が緊密に協力し、国際社会との協力のもと、北朝鮮に対する最大限の圧迫と制裁を加えて、北朝鮮に核・ミサイル計画を放棄する正しい選択をするように導かなければならないことに共感した」と明らかにした。

 しかし、同日の対話でトランプ大統領は、国際協力に対する確固たる立場を強調した反面、文大統領は平和・外交的解決に重点を置いた。

 トランプ大統領は「北朝鮮の態度変化を引き出すため、強力な圧迫と制裁を加えるなど、確固たる立場を取ることが必要がある」と強調した。

 このため、文大統領は「韓米両国が、力の優位に基づいた強力な圧迫と制裁を通じて、究極的に北朝鮮を核廃棄に向けた交渉の場に引き出すため、共同で努力する一方、北朝鮮が核を放棄する正しい選択をする時には、対話の扉が開かれていることを示す必要がある」と述べた。

 文大統領は特に「朝鮮半島で再び戦争の惨状が繰り広げられるのは決して容認できない」と強調した。

 文大統領は同日午後には、日本の安倍晋三首相と23分間にわたり行った電話会談でも、朝鮮半島問題の平和的・外交的解決を強調した。

 文大統領は「8月末予定された韓米共同演習の前後に、北朝鮮が再び挑発する可能性に備え、北朝鮮の追加挑発に対する抑制と対応のため、韓日間の協力と韓米日3カ国間の協力を続けていくことにした」とパク報道官は伝えた。

 安倍首相は「北朝鮮の核・ミサイル問題の解決に向けて最終的に対話をしなければならないのは当然だが、今は北朝鮮にとって対話に応じるように圧力を加えるのが必要だ」と述べた。

 韓米首脳間の電話会談で注目すべきなのは、文大統領が核・ミサイル問題と関連した対話と、人道的・緊張の管理レベルの対話という「二つの対話」を分離するアプローチを強調したことだ。

 文大統領は、「ベルリン構想」の後続措置として行った軍事当局会談と赤十字会談の提案に対する北朝鮮の反応を尋ねるトランプ大統領に、

 「私が提案した対話の本質は、離散家族再会という人道的措置と、ホットライン復元を通じて偶発的衝突を防止し、緊張を緩和するためのものであって、北朝鮮の核・ミサイルが要諦ではない」と答えたと、大統領府関係者が伝えた。

 同関係者は「文大統領は、北朝鮮問題は『ツートラック』(でアプローチすべき)という点を述べてきた。

 北朝鮮の核・ミサイルを解決する主体は米国を中心とした国際社会であり、南北関係の改善と人道的レベルの問題は韓国が主導すべきという点を明確にし、トランプ大統領に改めて正確に(警戒)線を引いたのだ」と説明した。

 文大統領は南北対話の扉は引き続き開いておきながらも、米国主導の国際社会の対北朝鮮協力の方に前よりも一歩近づいたものとみられる。戦争につながりかねない軍事的対応は排除するものの、他の形の対北朝鮮圧迫には積極的に乗り出している模様だ。

 文大統領はトランプ大統領に、ミサイル指針の改定と原子力潜水艦など韓国軍の戦力強化に対する関心と支援を要請した。

キム・ボヒョプ、イ・ジョンエ記者

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/28120.html