文在寅(ムン・ジェイン)大統領が7日、ドナルド・トランプ米大統領との電話通話で、北朝鮮の核問題解決に関する自身の見解をあらためて述べた。最も重要な原則は「どのような戦争もあってはならない。平和的に解決しなければならない」ということだった。

 そのためには何としてでも対話をすべきだが、現時点におけるその方法は「北朝鮮が耐えられないという瞬間まで制裁を強化することだ」と述べた。また、この時点で、北朝鮮の核・ミサイル問題に関する対話に韓国が独自に乗り出す考えはない意思をトランプ大統領に伝えた。

 文大統領とトランプ大統領の電話会談は56分間行われた。文大統領が主に北朝鮮のミサイル発射という挑発行為について言及、トランプ大統領がこれを聞くという形で進んだ。

 大統領府関係者は「トランプ大統領はこの日、主に話を聞いていた。質問はほぼ1つだけだった」と語った。

 大統領府によると、トランプ大統領のたった1つの質問とは「文大統領は南北対話を口にしているが、本当に気になるから質問したい。実際に北朝鮮との対話を試みたのか」というものだという。

 文大統領は先月のトランプ大統領との首脳会談や「ベルリン構想」などで北朝鮮との対話を試みる意向を繰り返し表明してきた。トランプ大統領の質問は、これを意識したものと思われる。

 この質問に文大統領は「今は北朝鮮が核を放棄するまで制裁と圧力を加えるべき時で、対話する局面ではないと思う。私が提案した対話の本質は、赤十字会談を通じた南北離散家族再会のような人道的措置と、南北ホットラインを通じた偶発的な衝突の防止の2つだ。

 こうした対話の提案は、北朝鮮のミサイルによる挑発行為に関する対話の提案ではない」と説明した。するとトランプ大統領は「非常に良い」「感謝する」などの表現を5回ほど言ったとのことだ。

 大統領府側は「これは、文大統領の対北朝鮮対話提案が、米国が警戒している北朝鮮の核やミサイルなど戦略的分野に関する南北対話ではなく、人道的措置など非政治分野に関する対話であることを確認したことに対するトランプ大統領の反応だ」と話している。

 大統領府関係者はさらに、「トランプ大統領は、韓国の南北対話提案に疑問を持っているというよりも、『今は対話局面ではない』という見地から質問したようだ。そういう気持ちがよく分かっているので、文大統領も自身の対話提案の真意を正確に説明した」と語った。

 この関係者は「文大統領は、核・ミサイル問題解決の主体は米国を中心とした国際社会であり、南北離散家族再会など南北関係の改善問題は韓国が主導する『ツートラック・アプローチ』を語ってきた。それを混ぜて考えないよう、トランプ大統領に対して線引きして示した」と述べた。

 文大統領は先月11日の国務会議でも「我々が痛切に感じているのは、我々にとって最も切迫している韓半島(朝鮮半島)問題に対して、現実的に見て我々に解決力がなく、合意を引き出す力もないという事実だ」と語っている。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

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