中国版ツイッター微博において、ある日本人女性を取材した動画が今大きな話題を呼んでいる。
 
 動画の中で紹介されているのは、現在82歳の若宮正子さん。60歳で銀行を定年退職してからパソコンを学び始め、81歳のときに日本初の高齢者向けゲームアプリを開発し、アップルの開発者大会に出席したという、「世界最高齢のiPhoneアプリ開発者」だ。
 
 「年寄りはゲームアプリをやらない。どうしてかと言うと、年寄りには面白くないから」と語る若宮さんは、アップル社に「高齢者向けのアプリを」と要望メールを送っていたという。しかし返事はない。それならば、と自分で作ってしまったのだそうだ。
 
 高齢者を対象にしつつも、「日本の伝統文化を次の世代に引き継ぐには、言葉よりもゲームにしたほうがわかってもらえる」と、若者への想いもこめて作ったアプリは、「hinadan」。お雛様を正しく雛壇に並べるゲームで、スワイプを使用せず、タップだけで遊べるようになっている。
 
 「82歳には見えない」とのコメントも寄せられるほどの若宮さんのハツラツとした姿に、中国のネットユーザーからは、

 「活到老、学到老(生きて行く限り学び続ける)とはこのことだ。」「好きであれば、学ぶのに遅いということはない」「目標にする人がひとり増えた。このおばあちゃんだ。」というような賛辞の声と、歳を重ねても努力を続ける姿に刺激をうけたとするコメントが寄せられている。
 
 「毎日忙しくて、病気になる暇がない」と取材する記者に語ったと言う若宮さんの姿は、中国の若者にも刺激的に映ったようだ。
 
 現在中国では「王者栄耀」というスマホゲームが大流行しており、これにのめり込み過ぎる子どもたちが続出して社会問題となっている。また一方で、公園や広場で大音量の音楽を流しながらダンスに興じる高齢者(広場おばちゃん)のモラルについても同様に問題視されている。

 「スマホゲーム」と「高齢者」という、一見対極にあるように見える組み合わせのニュースが、中国のネットユーザーの関心を強くひきつけている。

http://news.searchina.net/id/1641499?page=1