北京中心部の金融街にある高層ビルに、中国が主導する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」が入る。100人強のスタッフのうち中国人の割合は24%だという。

 「一帯一路とAIIBに重なった部分はあるが、それぞれは独立的な存在だ」

 広報責任者を務めるカナダ出身のローレル・オストフィールド氏は、AIIBが「中国政府から関与を受けていない」と英語で重ねて強調した。

 AIIBは重要案件に関して75%以上の賛成を必要としており、議決権の27・5%を占める中国の存在は強大に映るが、同氏は「これまで全会一致で話し合って決めている」と否定する。

 実態はどうか。丸紅経済研究所の李雪連シニア・アナリストは「AIIBは中国の国際化戦略にとって非常に重要な存在。世界で評価される見栄えのよいものになるように腐心している」と指摘。

 AIIBには国際社会に向けた「ショーウインドー」の役割が期待されているようだ。そのため、国家ファンド「シルクロード基金」や国家開発銀行といった中国がコントロールできる枠組みも最大限活用し、一帯一路を金融面で支えるとみられる。(三塚聖平)

http://www.sankei.com/world/news/170809/wor1708090006-n1.html

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AIIBの広報責任者を務めるローレル・オストフィールド氏