国家間に大きな格差を生み出すとまで言われる人工知能(AI)。その開発競争はすでに世界中で始まっている。また、中国はスーパーコンピューターの分野で世界を大きくリードしているが、日本にはAI分野に特化した世界最速のコンピューターを作る計画がある。
 
中国メディアの猟雲網は4日、日本は中国のスパコンをはるかに越えるAIスパコン「人工知能処理向け大規模・省電力クラウド基盤(ABCI)」を作ろうとしていると伝え、1秒当たりの浮動小数点演算回数で130ペタFLOPS(ペタフロップスは毎秒1000兆回の浮動小数点演算能力)を目指す日本のABCIについて紹介している。
 
記事はまず、日本が2018年4月を目標に、人工知能処理向け大規模・省電力クラウド基盤(ABCI)を完成させようとしていて、完成すれば現時点で世界最速のスパコンである中国の神威・太湖之光を超える演算速度を持つことになると警戒感を示した。
 
続けて、専門家の見解として、現在のスパコンは個人向けのコンピューターの100万倍ほどの性能を持ちで、一般のコンピューターが3000年掛かって計算することを、スパコンならば1日あれば計算できるとし、ABCIは車の自動運転技術、ロボット、医療診断技術に応用でき、こうした分野の発展を加速させることができる見通しだと伝えた。
 
 記事が指摘しているとおり、スパコンの性能ランキング「TOP500」の2017年6月版で世界最速のスパコンは中国がスパコン「神威・太湖之光」だ。しかも、神威・太湖之光には中国製のマイクロチップが使用されている。

また、同じく中国の天河2号は世界2位となっており、スパコン分野で中国はまさに圧倒的な強さを見せているが、日本が神威・太湖之光を超える性能を持つスパコン開発に乗り出す計画であることは、中国にとっては確かに脅威であろう。(編集担当:村山健二)

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