【ソウル=山田健一】韓国ロッテグループが10月に予定する持ち株会社制への移行に関し、辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)会長の兄の辛東主(シン・ドンジュ、重光宏之)氏が、持ち株会社制への移行を防ぐ仮処分をソウル中央地裁に申請し、却下されたことが分かった。ロッテが17日明らかにした。

決定は16日付。ロッテグループはロッテ製菓やロッテショッピングなど主要4社が今月29日に臨時株主総会を開き、持ち株会社への転換を決める方針。韓国の財閥特有の複雑な資本関係を整理して、経営の透明化を高める狙いがある。

ロッテによると、辛東主氏は、転換の過程で実行する4社の合併比率に問題があるとして、株主総会決議を禁止する仮処分を地裁に申請していた。

辛東彬氏がロッテグループを継いで以降、辛東主氏は経営計画に反対する姿勢を何度か見せているが、目立った成果は得られていない。

辛東主氏はロッテ創業者の長男。以前は日本のロッテホールディングスの経営を任されていた。同社が6月に開いた株主総会では取締役への復帰を目指したが実現しなかった。

一方、ロッテは17日、ロッテ製菓など4社が株主価値を高めるため配当性向を現行比約2倍の3割に引き上げると発表した。持ち株会社への移行について、臨時株主総会で株主の承認を得やすい環境を整える目的とみられる。

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創業家長男でロッテホールディングス前副会長の辛東主(シン・ドンジュ、重光宏之)氏