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【鈴置高史】「世界の敵」とスクラムを組む韓国 「中立宣言」は中立で終わらない[8/22] [無断転載禁止]©2ch.net
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2017/08/22(火) 00:16:43.20ID:CAP_USER
韓国が「平和」を名分に掲げ「中立」に動く。それは「北朝鮮との共闘」の入口だ。

「裏切り」に質問が集中

北朝鮮のグアムへの威嚇を期に、韓国が「有事の中立」を宣言しました。

鈴置:8月15日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「光復節」の祝辞ではっきりと、米国による北朝鮮への先制攻撃は許さないと宣言しました。

青瓦台(韓国大統領府)の「第72周年光復節祝辞」のその部分を翻訳・引用します。

・朝鮮半島で再び戦争を繰り返してはなりません。朝鮮半島での軍事活動は大韓民国だけが決めることができ、誰も大韓民国の同意なくして軍事活動はできません。
・政府は何があっても戦争だけは止めることでしょう。
 
 米国が先制攻撃する際、韓国はそれを止めるし加担もしない、との宣言です。

「中立宣言」に米国はどう反応しましたか?

鈴置:8月15日の国務省の記者会見で「韓国の裏切り」に質問が集中しました。報道官は初めは明確な答えを避けていました。

 が、記者の執拗な質問により、最後は「北朝鮮と戦わない韓国」への疑問を、暗示的にではありますが口にすることになりました。

しどろもどろの報道官

報道官が文在寅演説に関するコメントを避けたのはなぜですか?

鈴置:米国にとって「中立宣言」は明らかな裏切りです。でも、韓国への怒りを表明すれば「米日韓」の対北朝鮮包囲網が崩れたことを認めることになってしまいます。

 国務省の「Department Press Briefing-August 15, 2017」から関連部分を拾います。記者が突っ込むごとに、ナウアート(Heather Nauert)報道官がしどろもどろになっていくのが分かります。

 会見ではまず、北朝鮮のグアム沖へのミサイル発射計画などについて質問が出ました。続いて、文在寅大統領の「韓国政府の許可なくして誰もが軍事行動できない」との発言に関する質疑に移りました。

 ある記者が「それに対する米国の立場は?」と質したのです。報道官は「米韓はいい関係を持っている」「仮定の質問には答えられない」などと誤魔化しました。

 すると記者が「金正恩(キム・ジョンウン)が韓国を奇襲攻撃したら、米国は軍事行動に出るのか」とたたみかけました。それに対し報道官は「韓国は同盟国である。我々は韓国を守る」と答えました。このやりとりの原文は以下です。

質問: What if North Korean Kim Jong-un sudden attack South Korea? Can the United States engage in this military action?
報道官: As you know, South Korea is an ally of ours; and as we do with our allies and friends, we pledge to protect them as well. Okay?

韓国の許可が要るのか

 当然の答えですし、こう答えなかったら問題です。でも、会見場でこれを聞いた記者たちは「米国は韓国を守るというのに、米国が米韓共通の敵を攻撃するのを韓国が邪魔すると言い出した。韓国はいったい何を考えているのか。米国はそれを許すのか」と疑問を膨らませたことでしょう。

 ナウアート報道官はこの率直な疑問に対し、何らかの答えをせざる得なくなりました。記者の作戦勝ちです。

 この後いったんは、北朝鮮に対する中国の姿勢などの話題に移りましたが、また「文在寅発言」に話が戻されました。

 「米国の(北朝鮮に対する)いかなる攻撃に関しても、韓国の許可が要るのか」との、本質を突く質問が出たのです。ナウアート報道官は「外交的な問題でもあるが、国防総省も絡む問題だ。直ちには答えられない」と答えました。

質問: It’s not really a hypothetical. What do your agreements with South Korea say? Do you have to get their permission to launch any sort of strike?
報道官: Some of those things are diplomatic conversations and some of those would involve the Department of Defense, so I just don’t want to get into that. Okay.

国防総省とたらい回し

どこかで聞いたような答えですね。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/081800120/

>>2以降に続く)
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2017/08/22(火) 00:17:05.00ID:CAP_USER
>>1の続き)

鈴置:米軍制服組のトップ、ダンフォード(Joseph Dunford, Jr.)統合参謀本部議長が8月14日、ソウルの記者会見で同じ質問を受け「それは政治的な決定となることだろう」などと答えています。

 米政府は「この手の質問にはこう答える」と、応答要領を定めているのでしょう。国務省が聞かれた時は「国防総省も関係するから」、国防総省が聞かれた時は「政治的な判断も要るから」と言い訳し、答えを避ける仕掛けです。

 ただ、この日の国務省担当記者は誤魔化されませんでした。報道官の「韓国は米国の重要な同盟国だ。米国は韓国を守る」という言葉に付け込んだのです。

 記者は「金正恩が韓国を攻撃したら、米国は戦争に巻き込まれると思われる。というのに文在寅大統領は朝鮮半島の戦争は望まないと演説した。彼の真意が分からない」と重ねて聞きました。

 報道官は「あなたの質問の意味が分からない」とか「日本もそうだが、誰も戦争を望まない」などと、はぐらかそうとしました。

質問: -- very confuse about President Moon remark yesterday, because U.S. and South Korea is alliance. But he not want to be war in Korean Peninsula, but however U.S. supposedly involved with war when the North Korean Kim Jong-un attack the South Korea. But why he discourage it, but --
報道官: I’m sorry. I didn’t understand the last part.
質問: President Moon doesn’t want a war in the Korean Peninsula, but --
報道官: President Moon doesn’t want that. Japan doesn’t want that.

北朝鮮には全世界が懸念

 さらに「誰もが戦争を望んでいない」ことを強調するためでしょう。「金正恩への非核化要求は国連安保理の全会一致の決定だった。世界の我々の友人、同盟国、パートナーにとって最も重要なことなのだ」とコメントしました。

報道官: It’s a priority, obviously, at the United Nations and the UN Security Council, where they had the unanimous vote on that matter. It’s a top issue for our friends and allies and partners around the world

 これを聞いた記者は「しめた」と思ったに違いありません。直ちに「だったらこの問題は米朝間ではなく韓国の問題だ。だのになぜ、文大統領は他人事のように語るのか」と切り返したのです。

質問: But this is not at all between U.S. and North Korea problem. This is ? the actually problem is that the South Korea, in fact. But Moon thought this is your guys’ problem. That’s not ? how did you think about ? this --

 報道官はまたしても「質問の意味が分からない」と逃げましたが「これが米朝間の問題と考えているのか?」と再び聞かれると、逃げようがありませんでした。

 ナウアート報道官は「北朝鮮と全世界の間の問題だ。米国だけが金正恩体制に懸念を表明しているわけではない」と答えたのです。

質問: -- between the U.S. and North Korea problem. Do you think this is between the U.S. and North Korea problem?
報道官: Is this issue between the United States and North Korea? No. This is between North Korea ? this is between North Korea and the world. It is not the United States standing here alone expressing concern about the activities of Kim Jong-un’s regime.

「まともではない国」をかばう国

 このやりとりを聞いたり、読んだ人は「北朝鮮の核問題は世界的問題だ。なのに、もっともその脅威の下にある韓国が北に立ち向かおうとしない」との印象を深めたことでしょう。米国務省の定例ブリーフは世界の外交関係者の必読サイトです。影響力は極めて大きい。

 そしてこの後、ナウアート報道官は予定していなかったと思われる発言をしてしまったのです。

 報道官は「いい機会だから言っておく」と切り出したうえ、北朝鮮を「自由でも公正な国でもない」「国民に十分な食料も与えない」「移動の自由もない」「自らの国民を飢えさせ、強制的に堕胎させている」「収容所で国民を強制労働させる」と、口を極めて非難したのです。

 長くなりますが、原文を以下に引きます。

(続く)
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2017/08/22(火) 00:17:21.96ID:CAP_USER
(続き)

報道官: And by the way, it’s a good opportunity to remind people what it’s like for North Koreans to live under that regime. Okay. That is not a free and fair country. It is not a country where people have ample food, opportunity.
 It’s not a country where people can come and go as they please. It’s a country where they’re starving their own people; they’re engaged in forced abortions. Pardon me for talking about that, but that is a very grim reality there, where people are living in labor camps, it’s under horrific situations.

 北朝鮮が人権蹂躙国家であることはニュースではありません。でも「中立宣言」が議論された直後にそれを聞かされた人は、韓国という国にますます首を傾げたでしょう。

 「人権を平気で蹂躙する危険な国が今、核武装しようとしている。そんな『世界の敵』を、なぜ韓国はかばおうとするのか」――と思うのが普通です。

威嚇なしで核は手放さない

文在寅大統領は単に「戦争を望んでいない」のでは? 「北をかばう」とは言い過ぎではありませんか?

鈴置:今「米国の先制攻撃を止める」と語れば、却って戦争を呼びかねません。文在寅大統領が主張するように、話し合いにより北朝鮮が核を放棄すれば一番いい。

 でも、話し合いで金正恩委員長が核を放棄する可能性はほぼない。核保有国になること自体が目的だからです。核を放棄すれば金正恩体制は大きく揺らぐ。そんな道を自ら選ぶわけがない。

 そう判断したからこそ米国や日本など西側の国は、国連による経済制裁と「軍事的手段も辞さない」との米国の威嚇によって強引に――最後の段階は話し合いになるかもしれませんが――核を放棄させようとしているのです。

 そんな時に韓国が「米国に戦争はさせない」と言い出し、軍事的な威嚇に歯止めをかけようとする。北がいやいやでも核を手放す可能性を韓国が減らそうとしている――と米国や日本は見ます。

 「自分まで届く核を持った北」を米国が見逃すわけはありません。少なくとも、軍事行動への動機を強めます。「韓国の中立宣言」が戦争の危険を増すことになるのです。

平和を叫んでも平和は来ない

「戦争反対」と言えば戦争がなくなるわけではない……。

鈴置:まさにその視点で、保守系紙、東亜日報と朝鮮日報は文在寅演説を厳しく批判しました。

 両紙ともやり玉にあげたのは冒頭に引用した、そして米国務省の会見で質問が集中した「戦争だけは止める」部分です。

 東亜日報の8月16日の社説「『不安な平和』ではなく『堂々とした平和』を目指せ」(韓国語版)で、次のように主張しました。

・朝鮮半島に戦争の惨禍が起きては絶対にならない。しかし「不安な平和」ではだめだ。当面は北朝鮮の挑発による戦争の防止が重要だとしても、北朝鮮が自ら核を放棄せざるを得なくするようにすべく、国際社会と一緒に最後まで圧迫せねばならない。

 ここで軍事的圧迫を緩めれば、北朝鮮に核を持たせてしまうではないか――との悲痛な叫びです。

 この社説は結論部分で「『核には核で、挑発には報復で対応する』との原則の下、強力な対北抑止力を確保せねばならぬ」と、国民に核武装を呼びかけました。大統領の「戦争絶対反対」宣言が、韓国の核武装論を加速したのです。

 朝鮮日報の社説「対話では北の核を放棄ができないというのに、いったいどうするのか明らかにせよ」(8月16日、韓国語版)のポイントも引用します。

・「戦争反対」とか「平和的解決」などの言葉は確かに間違ってはいない。だが、それにより北朝鮮の核廃棄ができない場合、大韓民国の5000万人の国民は金正恩の核の奴隷として生きていくしかない。そうでなければ他にどんな方法があるというのか。

「お人好し」か、それとも……

文在寅大統領の真意は?

鈴置:韓国の左派は大統領を「平和の使者」と素直に称賛しています。米国の先制攻撃に歯止めをかけさえすれば戦争は起きない、という理屈でしょう。

 「韓国だけが朝鮮半島の軍事行動を決めることができる」との大統領の演説を聞いて快哉を叫んだ「普通の人」もいたことでしょう。韓国では「自分の運命がかかる北の核問題で、自分たちは一切口出しできない」との不満が溜まっていたからです。

(続く)
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2017/08/22(火) 00:17:33.02ID:CAP_USER
(続き)

 それに「戦争時の韓国の被害は膨大なものになる」と信じられていますから「戦争が避けられる」と、ほっとした人も多いと思います。先ほど述べたように、それは必ずしも正しい判断ではないのですが。

 一方、保守には2つの見方があります。まずは、大統領は軍事的な圧力なしで北朝鮮が核を放棄すると考えている、との「お人好し」説です。

 文在寅大統領は6月20日、米CBSのインタビューで「金正恩の核武装計画は『はったり』に過ぎない。本心は対話を望んでいる」と語っています。

 保守派のもう1つの見方は、米国に軍事的な圧力を緩めさせることで北朝鮮の核武装を幇助する「北のシンパ」説です。

核を持ったまま「南北共闘」

「北のシンパ」ですか!

鈴置:朝鮮日報は先に引用した社説で、「大統領に対する疑念」を匂わせています。以下です。

・文大統領が米国の軍事的な措置を防ぐ確実な堤防になってくれれば、南を完全な核の人質にできたと(北朝鮮は)自信を深めることだろう。

韓国人は核の人質になってもいいのですか?

鈴置:韓国の左派には「北朝鮮は同族の国である韓国には核兵器は使わない」と信じる人が多い。

 さらに、北が核を持ったまま南北が和解すれば、北の核兵器は周辺大国ににらみを効かす「民族の核」になる、とも考えています。

 文在寅政権は核兵器保有国には必須の運搬手段である原子力潜水艦の保有に熱心です。

 北朝鮮は核弾頭を開発できても、原潜を作る能力はない。それなら韓国がその準備をしておこうと考えているのかもしれません。

韓国の「中立宣言」は戦争を避けるための中立に留まらない、という話ですね。

鈴置:一見、中立。でも良く見れば「南北共闘」。ナウアート報道官が人権状況を非難することで北朝鮮が「世界の敵」であると強調したのも、それを牽制するためだったかもしれません。

(次回に続く)

■「北朝鮮の核危機」年表(2017年8月以降)
8月5日 国連安保理、石炭などの全面輸出禁止を含む対北朝鮮制裁決議を採択
8月6日 労働新聞「米国が核と制裁を振り回せば、本土が想像もつかぬ火の海になる」
8月7日 李容浩外相「米国の敵視政策が変わらない限り、核とミサイルで交渉しない」
8月8日 トランプ大統領「北朝鮮は世界が見たこともない炎と怒りに直面するだろう」
8月8日 WP「北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭の生産に成功とDIAが分析」と報道
8月9日 朝鮮人民軍戦略軍「『火星12』でグアムを包囲射撃する作戦計画を慎重に検討」
8月9日 朝鮮中央通信、先制攻撃論に関連「決意すれば瞬時に日本を焦土化できる能力がある」
8月9日 マティス国防相「北朝鮮は体制の終わりや国民の滅亡につながる行動は中止すべきだ」
8月10日 北朝鮮戦略軍司令官「『火星12』4発は島根、広島、高知の上空を通過しグアム沖に着弾」
8月10日 トランプ大統領「グアムに何か起これば、誰も見たことのないことが起きる」
8月10日 GT社説「北朝鮮が米国に向け先にミサイルを発射した際、中国は中立を維持する」
8月11日 トランプ大統領「北朝鮮が浅はかな行動をとるなら軍事的に解決策する準備が完全に整った」
8月11日 トランプ大統領「極めて高レベルの追加制裁を考えている」
8月11日 米中首脳が電話会談
8月12日 米仏首脳が電話会談
8月14日 トランプ大統領、301条適用を念頭に中国の知財侵害の調査を指示
8月15日 金正恩委員長「米国の行動をもう少し見守る。危険な妄動を続けるなら決断」
8月15日 文在寅大統領「朝鮮半島での軍事活動は大韓民国だけが決めることができる」

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)日本経済新聞社編集委員
1954年、愛知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。77年、日本経済新聞社に入社、産業部に配属。大阪経済部、東大阪分室を経てソウル特派員(87〜92年)、香港特派員(99〜03年と06〜08年)。04年から05年まで経済解説部長。
95〜96年にハーバード大学日米関係プログラム研究員、06年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)ジェファーソン・プログラム・フェロー。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

(おわり)
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