「韶成里(ソソンリ)婦女会長です。キム・チュンファン氏(THAAD配備撤回星州闘争委員会常任委員長)とキム・チュンファン氏支持者たちは韶成里の村に来ないでください」

19日、THAAD(高高度防衛ミサイル)が配備された慶尚北道星州郡(ソンジュグン)草田面(チョジョンミョン)韶成里会館内に、このように書かれた貼り紙が貼られた。韶成里でTHAAD配備に反対する第4回平和行動が行われた日だった。

草田面を除いた星州住民たちは、この文を見て激昂した。なぜTHAAD配備に反対する星州住民たち同士がこのように争うのだろうか。

THAAD韓国配備阻止全国行動など連携団体と草田面の住民たちは、主に現場でTHAADを防ぐための物理的闘争を強めようとしている。一方、星州の住民たちで構成されたTHAAD配備撤回星州闘争委員会は、一部の物理的闘争に否定的だ。

いわゆる「運動圏出身」ではなく星州の一部の若い住民らは、時には「楽しい闘争」をしたいということもある。闘争の方式の差は葛藤を越えて、不信を生んだ。

「キム・チュンファン委員長はちゃんと闘争する考えがなく、文在寅(ムン・ジェイン)政府に働きに行くのだ。星州郡長になろうとしてTHAAD反対闘争をした」。連帯団体と草田面の住民の一部はキム・チュンファン星州闘争委員会常任委員長をこのように疑っている。

「連帯団体は住民が選んだキム・チュンファン委員長を追い出し、自分たちの好みに合った星州闘争委員会を作ろうとしている」。草田面以外の一部の星州住民らは反対に、こうした疑いを持つ。

共に民主党の方からキム・チュンファン委員長の文在寅政府参加の話は出ていない。もしもキム委員長が来年の地方選挙の際、星州郡長に出馬するならば、票心など地域の現実を考慮するとTHAAD反対闘争をしないことが星州郡長の当選に有利だ。

連帯団体がキム委員長を追い出そうとするのも現実性が落ちる。この1年間、星州で毎日ろうそくを掲げてTHAADに対抗して闘ったキム委員長に対する住民の信頼は厚いからだ。

17日、星州闘争委員会臨時総会で投票した住民158人のうち、100人がキム委員長など星州闘争委員会運営委を再信任したのがこれを傍証する。

今、星州住民らは根拠が弱いか現実性の落ちることを主張し、お互いに喧嘩しているようにみえる。もうお互いに感情が傷つき、不信が積もり、以前のように常時的な連帯が不確実になった。しかし、多くの人が同じところに向かって行くとしても、道は幾つもある。

ある人は最大限早く急な上り坂へ、他の人はちょっと遠回りしても平坦な道に向かおうとする。ある人は山を見ながら、またある人は海を見ながら行きたがることもある。このような違いをめぐって喧嘩する理由はない。それぞれが好きな道を行けば、お互いどこかで会うことになる。

「真の連帯とは一体何でしょうか?」最近、多くの星州住民らは互いにこのように問い合う。

星州/キム・イルウ記者

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/28258.html

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19日、THAADが配備された慶尚北道星州郡草田面韶成里会館前で開かれた第4回韶成里平和行動で、参加者たちが「THAAD配備反対」を叫んでいる=星州/キム・イルウ記者//ハンギョレ新聞社