自衛隊加憲は不要=「9条にノーベル賞」鷹巣代表−インタビュー・憲法改正を問う

安倍晋三首相が提起した憲法改正について、市民団体「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(神奈川県)の鷹巣直美共同代表に聞いた。

−活動を始めたきっかけは。

結婚して子どもが生まれてから平和に対する思いを強くした。戦争をしないことを掲げた9条を守り、世界に広げるため、2013年にノルウェーのノーベル賞委員会に対し、9条にノーベル平和賞の授与を求めるメールを送ったのが始まり。

平和賞候補推薦の署名集めや講演を続けている。首相が憲法違反を続けていることは深刻な問題であり、取り組みにとっても大きな妨げだ。

−首相は憲法9条1、2項を維持した上で自衛隊を明記すると表明したが。

ずるい手法だ。政府は、15年に衆院憲法審査会で自民党推薦を含む憲法学者全員が違憲と言ったにもかかわらず、集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法を強行採決した。

9条1、2項で許されない集団的自衛権行使を容認された状態の自衛隊を明記するのは憲法違反だ。

−首相は、自衛隊が違憲との見解を示す憲法学者について「何かあれば守ってくれ、というのはあまりに無責任だ」と批判しているが。

憲法違反の任務を正当化するためとしか思えない。明記する必要はない。首相は「積極的平和主義」や「平和安全法制」という言葉を、「平和」の概念を180度変えながら用いている。まさに二枚舌であり、せこいやり方だ。

−北朝鮮の核・ミサイル開発により軍事的緊張が高まっていることをどう考えるか。

外交で解決すべきであり、被爆国として米国にも北朝鮮にも核・ミサイル開発をやめさせるべきだ。そして何よりも韓国と連携していくことが大事だ。

文在寅政権は北朝鮮との対話路線を敷いている。そのためにも、日韓間の慰安婦問題は解決しなければならない。同問題は9条につながってくるものであり、現行のままの9条を保持することが(韓国に対する)反省、謝罪になる。

日本政府は、なぜ韓国に設置された慰安婦を象徴する少女像の撤去を求めるのか理解できない。政府はこうしたことを引き起こす戦争を二度と繰り返さないという反省として、首相官邸の敷地にも設置するくらいの覚悟を見せるべきだ。

鷹巣 直美氏(たかす・なおみ)1976年生まれ。豪タスマニア大理工学部卒。「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会共同代表。主婦。神奈川県出身。

http://news.livedoor.com/article/detail/13514950/