北朝鮮が短距離飛翔体3発発射
青瓦台「戦略的挑発ではない」
専門家「100%韓国攻撃用、青瓦台はなぜ他国の問題のように対処?」

北朝鮮が26日、東海(日本海)に向けて短距離の飛翔体3発を発射し、2発は250キロほど飛行して1発は空中で爆発した。青瓦台(韓国大統領府)は発射直後に国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開催したが、青瓦台の高官は記者会見で「短距離飛翔体の発射は戦略的な挑発ではない」と述べた。

軍事・安全保障の専門家たちは今回の北朝鮮の挑発を「100パーセント韓国攻撃用」とみている。北朝鮮は先月28日、米国本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したが、今回の短距離飛翔体は韓国を攻撃の射程圏に収めている。

北朝鮮は25日の「先軍節(軍事優先政治の始まりを記念する日)」には、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が視察する中、韓国のペンニョン島と延坪島の占領を想定した特殊部隊の訓練を実施した。

慶南大学極東問題研究所の金東葉(キム・ドンヨプ)教授は27日「北朝鮮がグアムを攻撃すると威嚇している局面で、短距離飛翔体を発射してペンニョン島占領訓練を実施したということは、米国を相手にする前に韓国を確実な人質に取るということだ」と指摘した。

しかし、青瓦台の高官は「今回のミサイルは短距離の飛翔体であるため、乙支フリーダムガーディアン(URG、韓米合同指揮所演習)の期間でなければNSC常任委を開くほどでもなかった」と述べた。

さらに、この高官は「北朝鮮もこれまで、URG期間に通常の対応訓練をしてきた。今回も同じレベルだと考える」と続けた。予想されたレベルの挑発であり「深刻な状況とは考えていない」という趣旨だった。

実際の飛翔体についても韓米の間で解釈が異なった。青瓦台の尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官は「飛翔体は改良型の300ミリ放射砲(大口径多連装ロケット砲)と推定される」と述べたが、米太平洋司令部は「短距離弾道ミサイル」との見方を示した。

また、青瓦台の関係者は同日「この程度の挑発なら、UFG終了後に対話の局面に転換する可能性が大きいというシグナル」と述べた。

青瓦台が北朝鮮との「対話」に躍起になり、韓国国民と領土を狙った北朝鮮の明らかな挑発を、「大したことではない」と必死になって矮小化していることについて、進歩陣営内部からも疑問の声が上がっている。

金東葉教授は「北朝鮮が米国本土を威嚇すれば『戦略的挑発』と言い、韓国に対して挑発すれば他国の話のように対処するのは、理解し難い」として「これは進歩・保守の問題ではなく、基本常識の問題」と指摘した。

これについて青瓦台の高官は「戦略的挑発でないというのはICBM発射ではないという意味であり、挑発の意味を矮小化しているわけではない」と反論した。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

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