北朝鮮の国営メディアは日本時間29日午前10時までに、同日の弾道ミサイル発射を報じていない。

北朝鮮メディアは核実験や長射程の弾道ミサイル発射など特別な意味を持つ事案を当日に報じる場合があるが、既存のミサイル発射や通常の発射訓練については翌日に伝えるか、報道しないことも多い。

北朝鮮は昨年9月9日に5回目の核実験を行った際、日本時間午後1時半に「核兵器研究所」の声明を、国営メディアを通じ発表。

今年7月4日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」を初めて発射した際は、事前に「特別重大報道」を予告し、同日午後3時半に発射の事実を伝えた。

一方、今月26日の短距離ミサイル3発の発射は報じていない。3発のうち1発が発射直後に爆発し、意図した通りに発射できなかったため報じなかったとの見方もある。(共同)

http://www.sankei.com/world/news/170829/wor1708290056-n1.html


【北ミサイル】安倍晋三首相「日米は圧力強化で完全に一致した」 トランプ米大統領との電話会談

安倍晋三首相は29日午前、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けてトランプ米大統領と約40分にわたり電話会談した。

会談後、官邸で記者団に「今回の北朝鮮のミサイル発射はこれまでにない重大で深刻な脅威だ。ただちに国連で緊急会合を開催し、北朝鮮に対し圧力をさらに強化していくことで日米は完全に一致した」と述べた。

会談では、トランプ氏から「米国は同盟国である日本と100%とともにある」として、日本防衛へのコミットメント(関与)の表明があったことを明らかにした。

首相は記者団に「今後も強固な日米同盟の下、国民の生命と財産を守るために全力を尽くしていきたい。日米韓で協力し中国やロシア、国際社会にも働きかけを行いながら北朝鮮に強い圧力をかけ、彼らの政策を変えなければならない」と強調した。

http://www.sankei.com/politics/news/170829/plt1708290036-n1.html


【北ミサイル発射】拉致被害者家族から焦りと怒りの声相次ぐ「何が起きても不思議ではない」「拉致問題解決に直結する取り組みを」

「すべての国、人々が本気で立ち向かわないと、取り返しのつかないことになる」。29日早朝、北朝鮮が発射した弾道ミサイルが北海道上空を通過した事態を受け、拉致被害者の家族からは怒りの声が相次いだ。

朝鮮半島情勢がより厳しい局面を迎える中、家族らは拉致問題が置き去りとなることへの不安を強くにじませ「被害者の帰国に直結する取り組みを即、進めてほしい」との声が相次いだ。

「今や、何が起きても不思議ではありません」。横田めぐみさん(52)=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(81)は朝鮮半島情勢のさらなる緊迫化に焦りを募らせ「度重なる制止を無視してなぜ暴挙を繰り返すのか」と北朝鮮への怒りを語った。

政府は北朝鮮への独自制裁を強化。米国や国際社会と連携し圧力を強めるとしている。

早紀江さんは「拉致被害者帰国への交渉はどう進めるのか。展望が見えないのがとても不安」と話した上で、軍事衝突へのエスカレートも懸念し「極限の事態に被害者を救う確実な手立てがあるのか。交渉の進展を含め、政府がどのように準備しているのかを知りたい」と話した。

「われわれだけでなく多くの人々が長年、北朝鮮の核・ミサイル問題に対処すべきと訴えてきた」。市川修一さん(62)=同(23)=の兄、健一さん(72)は「野放しにした結果が今の危機を招いたのではないか」と憤った。

報道で発射を直後に知った健一さんは「ミサイルが通過した近くに家族や親類もいる。本当に嫌な思いをした。核・ミサイル問題で拉致は隅に追いやられている印象。厳しい状況だからこそ、政府は最優先課題として、被害者を救出する強い意思を行動で示していただきたい」と力を込めた。

http://www.sankei.com/world/news/170829/wor1708290047-n1.html

>>2以降に続く)