無法国家・北朝鮮を率いる金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が狂気の度合いを強めている。前回の飛翔体発射からわずか3日後の29日早朝、日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した。今後、北朝鮮がさらなる挑発行為に踏み切る恐れがあり、核実験の準備を完了したとの情報もある。正恩氏の暴走を許してはならない。

「核実験の準備が完了した状態だ」。韓国の情報機関、国家情報院は28日、そう国会に報告した。出席した議員によると、準備が完了したのは、北朝鮮北東部の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場の2つの坑道。韓国当局は北朝鮮について、いつでも核実験を実施できる状態を維持しているとみて監視を続けている。

核実験のタイミングとして、考えられるのが来月9日前後だ。北朝鮮の建国記念日に当たり、昨年のこの日に5回目の核実験を行った。今年も記念日に合わせて強行する可能性がある。

北朝鮮は、核弾頭を搭載した米本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発を目指しており、8月29日早朝に発射した弾道ミサイルもその一環との見方がある。

北朝鮮情勢に詳しい麗澤大の西岡力客員教授は「北朝鮮は、大気圏再突入技術と核弾頭の小型化技術を確立していないとされる。あと1回核実験を成功させれば小型化ができるという北朝鮮内部の有力情報がある」と説明し、こう続ける。

「今回のミサイル発射が大気圏再突入技術の実験だった可能性もある。北朝鮮が着々と技術を蓄積しているとすると、核実験を強行する可能性は十分にある」

核実験以外にも気になる動きがある。朝鮮中央放送は26日、正恩氏が「島嶼(とうしょ)占領のための軍特殊作戦部隊の対象物打撃競技」を視察したと伝えた。日時は不明だが、韓国北西部の白ニョン島と大延坪(テヨンピョン)島の占領を想定したもので、正恩氏は「ソウルを一気に占領し、(朝鮮半島の)南半部を平定する考えを持つべきだ」と強調したという。

韓国攻撃の恐れはあるのか。西岡氏は「米韓軍の『作戦計画5015』に正恩氏の『斬首作戦』が入っているといわれ、特殊部隊による実施がメディアで報じられている。その対抗のため、北朝鮮も特殊部隊を持っていると喧伝しているのではないか」と指摘した。

朝鮮半島情勢は一触即発のようだ。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170830/soc1708300006-n1.html
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無謀な挑発を続ける正恩氏。次は何をする?(ロイター)