【時代の正体取材班=石橋 学】朝鮮学校の校庭を開放し、地域住民が触れ合う恒例の「第14回KAWASAKI大交流祭」が8日、川崎市川崎区の川崎朝鮮初中級学校で催された。来場者は多文化共生の豊かさと、民族の心と文化を育む学び舎(や)の大切さを確かめ合った。

チヂミやスジ煮込みといった「在日コリアンの味」を振る舞う出店が並び、同校児童による朝鮮舞踊やテコンドーの演武、神奈川朝鮮中高級学校吹奏部の演奏が会場を盛り上げた。

ハイライトは同じ桜本地区にある多文化交流施設、市ふれあい館のサークル「パランセク」と同館スタッフによる伝統芸能プンムルノリ(農楽)のステージ。民族打楽器の勇壮な調べに、地域の在日1世のハルモニ(おばあさん)たちが立ち上がり、腕をひらひらと踊りだすシーンも。

朝鮮学校の補助金停止が取り沙汰された際、地域住民が掲げた「私たちの街の学校、『朝鮮学校』をみんなで守ろう!」というのぼり旗もはためき、同校オモニ(母親)会元会長の朴(パク)京愛(キョンエ)さん(58)は「私たちの学校は地域とともにある。高校無償化からの除外や補助金停止など政治による排除が続くが、本当の姿を伝え、民族のよりどころである学校を守っていきたい」と話していた。

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朝鮮半島の伝統芸能も披露された大交流祭=川崎朝鮮初中級学校