忠南大学の少女像作りプロジェクト
学生・教授・職員集まり、推進委発足
世論調査を繰り広げ参加を導き
今日から500万円の設立募金始まる

「一緒に悩んで解決すれば私たちの中の連帯が成長するのでは」

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「忠南大学平和の少女像推進委員会」に参加した学生たちが、少女像の建設を希望している忠南大学第1学生会館前の民主広場に集まった//ハンギョレ新聞社

「大学生の私たちは、なぜこんなに社会問題に関心がないのだろうか?」

昨年冬の「ろうそく革命」が若者たちの心に残した種だったのだろうか。7月、就職などすぐ目の前のことにばかり追われて過ごしていた忠南大学生たちの心が日本軍「慰安婦」問題に行きついた。きっかけは単純だった。偶然遊びに行った世宗市の湖水公園で平和の少女像を見た瞬間「うちの学校にも少女像を立ててみよう」という“謀議”が始まった。

最初のアイディアは総学生会の中で芽生えたが、学生たちは「忠南大学平和の少女像」を学生会だけのものにしたくはなかった。さまざまな構成員が参加し、討論しあって協議し、少女像を作っていくプロセスが結果物よりはるかに意味があると考えた。

学生たちは「忠南大学平和の少女像推進委員会」(推進委)を立ち上げ、総学生会、学部学生会、学科学生会、学生、教授、教職員、卒業生たちを集めた。現在までに43人が推進委に参加した。卒業生である国会議員のチョ・スンレ氏も学生たちのメンターの役割を務めている。

推進委に参加したイ・ミンウさん(25・哲学科4年生)は「忠南大学の学生たちは、これまで社会問題に対する関心が高くなかった。世論が形成され行動へとつながり、問題の解決まで努力する学生たちの姿を大学に通いながらちゃんと見たことがない。そのため社会に出ても、忠南大学出身という自負心が足りなかったのが事実だ。

今回少女像の建立に向けて先輩・後輩の同窓生が時代の問題を一緒に考えて解決しようと努力しているうちに、私たちの中の連帯意識も少しは成長したのではないかと期待している」と話した。

彼らは世論を集めるために、8月1日から20日の間、在学生1168人を対象にオンラインのアンケート調査を行った。回答者の95.6%が、少女像の建設に賛成した。賛成の理由としては「学生たちに問題意識を植え、気づきを与える」、「学校に対して矜持と自負心を持てる」などの意見が多かった。

反対の声は学校側から出た。校内の第1学生会館前の民主広場に少女像を建てるために、大学側に敷地の提供協力を要請したが、学校側は「姉妹提携した日本の大学との関係」を理由に難色を示した。学校と意見対立する形になると、一部の教授と学生たちも「学内に不要な葛藤を誘発する」とし、少女像建設推進を批判した。

推進委は12日、少女像を建てることを希望する忠南大学民主広場で発足式を開き、「いかなる政治的介入や外交的問題にも揺さぶられず、正しい教育の道を開いてほしい」と大学側に促した。

推進委は5000〜5500万ウォン(約500〜550万円)の募金を目標に、13日から本格的な活動に入る。募金過程を透明にしようと推進委を非営利社団法人に登録し、クラウドファンディングも計画している。予定どおり進めば来年3月、忠南大の民主広場に「国立大学としては第1号の平和の少女像」が建設される。

少女像建設後には、最近構成された現代史勉強サークルが少女像を管理し、定期的に学会や文化祭も地道に開く予定だ。

イ・ヒョンサン忠南大学総学生会長は「今では教授方も授業時間に頻繁に少女像について話される。応援する方もいれば、気がおかしくなったと言う方もいる。このような状況もとても肯定的だと考える。賛成であれ反対であれ、これを機に慰安婦問題を一度は考えてみることになったからだ。

教授と討論し友人と論争して、自分の考えを話すこと、就職を超えて他の問題にも関心を持つことが、大学の望ましい方向ではないだろうか。学びは本だけから出てくるものではないと思う」と話した。

文・写真/チェ・イェリン記者

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/28683.html