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水爆は、ロケットに搭載して太平洋上に飛ばす。わが国が、核を搭載したロケットを長距離飛ばせることを、米帝と世界に示す。

この最大規模の水爆実験は、正々堂々と行う。わが国の然るべき場所にロケットの発射台を設けて、発射の準備を進める。(ロンドンにある)国際海事機関にも、ロケットを発射する期間と区域を、きちんと申告する」

――「太平洋上」とは、どこになるのか?8月9日、朝鮮中央通信は、「日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過して、グアムまで到達する中距離弾道ミサイル4発を、(アメリカ領)グアムに向けて発射する計画を立てる」と発表している。狙いはグアムなのか?

「われわれのロケット発射計画は、常に緻密な計算のもとに行われている。ロケットがグアムまで届くことは、すでに証明しているので、もう十分だろう。

われわれの目標は、アメリカ本土まで到達する核ロケットを、実戦配備することだ。だからこれから行う水爆実験は、ハワイとアメリカ西海岸を見定めた北太平洋に向けて発射する」

――ハワイやアメリカ本土を攻撃するつもりなのか?

「攻撃ではない。あくまでも、攻撃できる能力を示すための発射実験だ。

われわれは、米帝を攻撃したいのではなく、先軍政治(軍事最優先の政治)によって強盛大国(軍事大国)になったことを証明し、対等の立場で米帝と交渉したいのだ。

一連の実験は、米帝によるわが国の体制転覆や、米帝が言うところの『斬首作戦』(金正恩委員長の暗殺)を抑止するための手段だ」

――そうは言っても、北朝鮮がハワイや西海岸近くに水爆を搭載したICBM(大陸間弾道ミサイル)を撃ち込めば、アメリカは黙っていないだろう。そもそも発射前に、北朝鮮国内に設置された発射台を空爆する可能性がある。

「もしわが国のロケット発射台が米帝に空爆されたなら、即刻、米帝との全面戦争に打って出るまでだ。

まずは、ソウルを火の海にしてやる。無数の砲門がソウルを向いて国境付近に配備されていることを忘れてはならない。

続いて、南(韓国)や日本にある米軍基地を、一斉に攻撃する。

もちろん、米西海岸の大都市に向けても、ロケットを放つ。たとえ一発であっても、米大陸に届かせてやろうというのが、元帥様の一貫したお考えだ。

――日本に対しては、どこに狙いを定めているのか?

「第一に首都圏の横須賀基地、第二にわが国への攻撃に利用される在日米軍基地、そして第三に、日本海側に広がる原発だ。

日本が、全面的に米帝と一心同体だと言って加担するなら、われわれは日本を米帝の一部とみなし、日本にもミサイルの雨を降らせるだろう」

――北朝鮮が開戦したら、アメリカ軍が北朝鮮全土を一斉砲撃し、たちまち金正恩政権が消滅するのは確実だ。

「最終的な結末が、どうなるかは知らない。だがそうなる前に、全面的な反撃を行い、わが国の尊厳を世界に顕示する。

ともかく、トランプの国連演説によって、わが国の最高尊厳のメンツが汚されたのだ。

お返しに、われわれが誇り高くロケットの発射台を設置して、果たしてトランプが引き続き強気のホラを吹き続けられるかどうかを、見定めてやろうではないか」

「もう中ロにも止められない」

――このまま米朝の対立がエスカレートしていけば、北朝鮮と深い関係にある2大国、すなわち中国とロシアが、仲介に乗り出すのではないか。

「中ロの仲介は、さほど期待していない。

なぜなら、まずわが国と中国の習近平政権との関係は、将軍様(金正日総書記)と胡錦濤政権の蜜月時代とは隔世の感がある。

中国の国有銀行は最近、中国各地にあるわが国の大口預金を、何の予告もなく一斉に凍結してしまった。もしわが国が米帝と開戦したら、(中朝)軍事同盟を口実に、鴨緑江を渡って侵略してくるかもしれない。

そんな信用ならない国に、わが国の浮沈がかかった重要事を託せるはずもない。

(続く)