工具メーカー大手「オーエスジー」(愛知県豊川市)の製品設計データなど営業秘密を不正に持ち出したとして、愛知県警は19日、不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の疑いで、豊川市大堀町、元社員、花見和敏容疑者(62)を逮捕した。

生活経済課によると、花見容疑者は中国の競合会社に勤務する知人の中国人男性にデータを提供していたとみられ、7月に花見容疑者の自宅などを家宅捜索した際に押収したパソコンやハードディスクを解析し、裏付けを進めている。

逮捕容疑は今年1〜2月、会社から貸与されたパソコンで同社のサーバーにアクセスし、営業秘密に当たる工業用製品の設計データを複製し、持ち出した疑い。データは私物のハードディスクに複製していた。

花見容疑者は製品の素材研究に従事しており、企業秘密に当たる工作図や製品の企画データにアクセスする権限を持っていた。同社が2月に実施した内部調査で、花見容疑者が情報を漏らしていたことが分かり、6月27日に懲戒解雇された。
 
同社は7月4日、「元社員が在職中に工作図や設計図のデータを他社に漏らしていた」と県警に相談。8月1日に告訴状を提出した。

オーエスジーは東証1部上場。同社や東京商工リサーチによると、自動車や航空機の金属部品を加工するドリルなどを製造しており、日本を含む世界33カ国に製造、販売拠点を置く。

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製品設計データの複製を持ち出すのに利用していたハードディスク(右)など=19日午後、愛知県警豊川署