裁判所が前大統領の朴槿恵(パク・クンヘ)被告の国選弁護人を募集したものの、志願者が1人しかいなかったことが22日までに分かった。

今回の事件は内容が複雑であえり、事件記録が膨大な量に上るため、裁判所は弁護人1人では裁判の進行が不可能だと判断。早ければ今週にも職権で複数の国選弁護人を選任する計画だ。

朴槿恵被告の事件を担当するソウル中央地裁は20日、所属の国選弁護人30人を対象に同事件の担当弁護士を募集した。

国選弁護人は裁判所から所定の報酬を受け取り、国選事件のみを担当しており、裁判所の部ごとに2−3人いる。通常は意思を確認することなく、所属弁護人のうち1人を選任し、特別な事情がない限り、担当を拒否できないことになっている。

裁判所は志願者がいないことも想定し、事務室の提供、記録をコピーするための設備支援などの条件を提示した。また、既に担当している月20−30件の事件を他の弁護人に割り振り、負担を軽減する方針も示した。

しかし、22日午後までに志願者は1人だけだった。ある国選弁護人は「3−4人が志願を検討していたが、いずれも撤回した。事件自体が負担になるほか、政治的な攻撃を受ける可能性があると考えたようだ」と話した。

別の国選弁護人は「個人情報が暴かれ、太極旗勢力(保守勢力)とろうそく勢力(リベラル勢力)の双方から攻撃されるのは明らかだ。朴被告が接見や公判出席も拒否する可能性が高く、お飾り同然になりそうで、皆がためらったのではないか」と述べた。

裁判所は早ければ来週にも朴被告の国選弁護人を選任する計画とされる。裁判所内部では国選弁護人4−5人を選任することが検討されているもようだ。事件記録だけで12万ページに及び、証人も多いことから、裁判の遅延を防ぐための措置だ。

法曹界関係者は「朴被告の裁判が欠席裁判で進められる場合、裁判遅延は避けられないが、裁判所が国選弁護人を被疑事実別、事件別に分けて担当させれば、裁判進行ペースをかなり早めることができる」と指摘した。

裁判所はまた、国選弁護人だけで弁護団を組むことができない場合、一般国選弁護人を複数選任することも検討中だ。現在ソウル中央地裁が委嘱している国選弁護人には国選専任の30人と一般事件を受任しながら、必要に応じて国選事件を担当する一般国選弁護人408人がいる。

ヤン・ウンギョン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/10/23/2017102300876.html