韓国軍と米軍の幹部は27日に会議を行い、戦時作戦統制権を韓国軍に早期に移管する問題について話し合った。双方の国防長官は今日開催される韓米定例安保会議(MCM)において、この問題を含む合意文を発表する予定だ。

統制権と関連して双方は現在の韓米連合司令部に代わる未来連合軍司令部を新たに発足させ、そこでは韓国軍が司令官、米軍が副司令官を担当する案について協議を行ってきた。

ただ北朝鮮が事実上の核ミサイルを保有した今、韓国政府が統制権の移管を進めることに賛成・反対の両方の意見があるのは事実だ。

一方で文在寅(ムン・ジェイン)大統領は先月行われた国軍の日の記念式典で「戦時作戦統制権の移管は韓国軍の体質と能力を飛躍的に発展させるだろう」と述べた。実際に現状の体制だと韓国軍は米軍に依存する形となっているため「韓国軍がサラリーマン化している」との指摘は以前からあった。

軍の中で起こる数々の事件や事故もこのサラリーマン化によるという事実も否定できない。統制権の移管はこのような韓国軍のたるんだ精神に気合いを入れると同時に、韓国軍独自の作戦能力を高める効果も期待できるだろう。

しかし北朝鮮が韓国を直接攻撃できる核ミサイルを事実上保有し、これに対する韓国軍の防衛能力が今なお不十分であることも厳然たる事実だ。そのような状況での統制権移管に疑問を呈する見方にも十分な説得力がある。

今の韓国軍の実力では北朝鮮から飛来するミサイルの探知、かく乱、追跡、迎撃のどれ1つとっても不可能で、また朝鮮人民軍の長射程砲を制圧する火力も不十分だ。安全保障政策において準備が不十分な状態で何かをやると、間違いなく取り返しがつかない事態に直面するという事実も忘れてはならないだろう。

いずれにしても最も重要なことは北朝鮮の脅威を抑制し、これを撃退するにはどうすれば最も強力で、なおかつ効率的かどうかだ。韓国政府は戦時作戦統制権の問題を軍事的な観点だけではなく、国の主権に関わる政治的な側面に重きを置いているとの指摘も以前からあったし、またそれに対する懸念も根強かった。

米ウォールストリート・ジャーナル紙は昨日、米国の政府関係者の話として「韓国政府が戦時作戦統制権の早期移管を求めれば、韓米両国の協力体制に悪影響が及ぶ恐れがある」と報じた。この懸念が現実となることだけは絶対に避けねばならない。

とりわけ米軍関係者が副司令官になった後も、米軍から提供される情報や米軍の攻撃能力が今と完全に同じレベルで維持されるよう、制度面でも何らかの保障を取り付けておくことが必要だ。

韓米両国の間で戦時作戦統制権をめぐる議論が今後も引き続き行われたとしても、これによって北朝鮮に対する抑止力や防衛力は1ミリたりとも低下させてはならない。

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