夕刊フジ2017.11.30
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 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が、前政権時代に「過激な暴力デモ」を行ったことによって逮捕・服役中の「超過激プロ市民」をえりすぐって特赦しようとしている−との情報は、瞬時に韓国メディアを駆け巡ったようだ。

 まだ、恩赦すると決まったわけではない。だが、解き放たれた左翼・従北派の「超過激プロ市民」が果たす役割は、文政権に対する「左翼バネ」だ。文大統領が表向きには言えない本音を、過激なデモ行動で代弁することで、政権の軌跡を決して右に寄らせないことだ。

 11月25日、韓国の3大新聞は、ほとんど同じような内容の社説を掲げた。見出しだけ示そう。

 ▽過激派・暴力活動家の赦免は韓国の法治に反する(朝鮮日報)

 ▽特定集会を対象にした「コード恩赦」は赦免権の乱用だ(東亜日報)

 ▽原則・基準のない「コード特赦」は法治主義を害する(中央日報)

 日本人になじみがないのは「コード」という用語だろう。これは、噛みくだいて言えば「思想傾向が一致する人」といった意味だ。

 形式だけ見れば、韓国には法律が整っている。しかし、政権による司法干渉がまかり通り、遡及(そきゅう)立法がある。とても「法治国家」とは言えない。それなのに、「法治に反する」「法治主義を害する」とはお笑いでもある。

 それにしても、文政権の準与党紙に転じた中央日報まで、朝鮮日報、東亜日報と轡(くつわ)を並べたのは、「これは、あまりにもひどい」としか思えなかったからだろう。何しろ、特赦対象と予想されるメンバーには国家保安法違反どころか、放火罪で捕まった活動家までいるのだから。

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