桂春蝶、北朝鮮の緊張はどうした!「モリ」「カケ」のびて賞味期限切れ、捏造すら辞さない危うさ感じる「東京のメディア」

【桂春蝶の蝶々発止。】

「モリカケ審議」と聞けば、私としてはとっくに賞味期限が切れていて、「いつまで国会はやっているんだ?」と思ってしまいます。

日本を取り巻く環境が平和なら、それだけ審議してもいいでしょうが、北朝鮮は核兵器やICBM(大陸弾道ミサイル)の開発を強行。日本海沿岸には多くの木造船が漂着するなど、毎日不穏なニュースを目にします。

米朝の緊張は…(=あっ、上方の噺家は『米朝』と書くとき、米国と北朝鮮のことでも、違う意味で緊張します。人間国宝の名前だもの…笑)。閑話休題。

米朝の緊張はピークに達し、「何が起こってもおかしくない状況にある」という報道もある。そんななか、国会は「モリカケ」です。

野党にとっては「藁(わら)をもすがる思い」なんでしょう。ほかに政府追及のネタがない。もっと意義のある審議をしてほしいものです。

もう1つ、私は問題提起したい。それは「野党側の幇間(ほうかん=たいこ持ち)的な、一部マスコミの体質」。これなんです。これは日本が抱える“病巣”といえます。

とにかく、一部マスコミは「政権を倒すためには何をやっても構わない」「それが自分たちの仕事で、社会の役に立っている」と思い込んでいる。捏造すら辞さない危うさも感じます。その病巣の本丸なのが「東京のメディア」です。

私はいま、「東京4・大阪4・地方2」の割合で活動しています。テレビなどを見て実感しますし、コメンテーターの方々もよく、「東京は規制でガチガチなので、大阪の方がのびのび言いやすい」というんですね。民主主義国家の日本ですが、土地ごとの情報に「格差」があるのです。異常な状態ですよ。

そして、東京の一部メディアは左派的論点ならば偏った意見でも構わないが、保守的表現はほぼ許されない。

私は、保守も革新も両方バランスよく聞くことが重要だと思います。どちらの思想にも公平に触れて、自らが思考していく素地をつくっていかなければなりません。

放送法第4条には「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」とありますが、守られていないのではありませんか?

大阪・読売テレビ制作で「そこまで言って委員会NP」という番組があります。さまざまなパネリストが政治や外交、経済などをテーマに討論する「保守の王道」をいく番組です。東京以外のほとんどの地方でネットされています。

あの番組が東京で放送されるようになれば、日本人の思考に変化が芽生え、もう少し意味のある議論が、この国に根付くと思っているのですが。

■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

ソース:夕刊フジ 12/9(土) 16:56
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