韓国の野党各党は15日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪中外交について「国の格を損なう朝貢・物乞い外交」と批判した。逆に韓国政府と与党は「韓半島(朝鮮半島)の平和を確保するための重要な成果を挙げた」と主張した。韓国大統領府(青瓦台)の関係者は、14日に行われた韓中首脳会談の成果について「100点満点で120点」という自己評価も行った。

 保守系野党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は15日、訪日の日程を終えて韓国へ戻る前、韓国特派員の取材に応じて「文大統領の今回の訪中は、皇帝の就任式に際して朝貢外交をしに行った、それ以上でもそれ以下でもない。中国の首脳は、国賓を招いておいて北京を空け、共同発表文もきちんとしたものではなかった。韓国の大統領が中国に行ってそんな目に遭ったことはない」と語った。

 同党の金聖泰(キム・ソンテ)院内代表も、党の会議で「大統領が物乞いのように習近平国家主席の許を訪れて這いつくばってもまだ足らず、随行した記者は街角で犬が蹴飛ばされるように蹴られる苦痛を味わった。口では国賓訪問と言うが、文大統領が韓国の外でどういう取り扱いを受けているか、如実に示した事件」と発言した。

 野党「国民の党」のアン・チョルス代表は15日、党の会議で「記者団暴行」事件に触れ、「取材記者が殴られるようなことをする政府が、国民をどのように保護するというのか。国民のプライドがひどく傷ついたことを直視すべき」と発言し、「今後、外交を中断すべき事項だ。外交部(省に相当)の長官と駐中韓国大使を即刻更迭すべき」とも主張した。またキム・ドンチョル院内代表は「国の格も主権国家のプライドもかなぐり捨て、ひたすら首脳会談ばかりに執着したことで自ら招いた物乞い外交」と評した。

 保守系の少数野党「正しい政党」の兪義東(ユ・イドン)首席スポークスマンは、論評にて「中国は、外相が国家元首の腕をぽんぽんと叩き、随行記者団暴行事件にも瞬き一つしなかった。韓国は中国に、北朝鮮への原油供給を中止して欲しいと要請してみることもしなかった」と批判した。

 これに対し、大統領府と与党「共に民主党」は「大きな成果を挙げた」と評した。大統領府の関係者は、14日に行われた韓中首脳会談について点数を付けて欲しい、という取材陣の質問に「(100点満点で)120点」と答え、別の関係者は「98点」を付けた。

 「共に民主党」の禹元植(ウ・ウォンシク)院内代表は15日の院内対策会議で「時宜適切な重要成果を挙げた」と発言し、金太年(キム・テニョン)政策委議長は「文在寅政権は、最悪の状況だった朴槿恵(パク・クンへ)政権時代の韓中関係を正常に 回復させるため渾身の努力を傾けた」と語った。

オム・ボウン記者

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