https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171223-00000074-mai-int

 【ソウル大貫智子】国連安保理の北朝鮮制裁決議に対し、韓国外務省報道官は23日、「歓迎し、支持する」との論評を発表した。韓国政府は制裁決議の履行を通じて北朝鮮への圧力を強める一方、来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪が緊張緩和に転換する機会となるよう、引き続き北朝鮮側に働きかけを行う方針だ。

 外務省報道官は論評で、北朝鮮が挑発を即時に中断し、非核化のための対話の場に出てくるよう改めて要請。北朝鮮の非核化と朝鮮半島の恒久平和のための努力を続ける姿勢も示した。

 韓国政府は平昌五輪を平和裏に成功させるため、あらゆる方策を検討。韓国青瓦台(大統領府)関係者によると、13日からの文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪中で、平昌五輪を契機に北朝鮮の挑発行為を中断させるため「今後3カ月が重要」との認識で一致したという。

 文氏は19日、米NBCのインタビューで、例年2月下旬か3月上旬から4月に行われる米韓合同軍事演習について「北朝鮮が挑発をやめるなら、韓米は演習の延期を検討できる」と述べ、米側に提案したと明らかにした。ただ、北朝鮮側が求めているのは演習の延期ではなく中止だ。

 韓国政府はぎりぎりまで五輪への北朝鮮の参加実現を目指すものの「平昌五輪の参加は韓国側には得だが、北朝鮮は得るものが特にないと考えている可能性がある」(韓国政府元高官)との指摘もある。北朝鮮が再び挑発行為に出た場合、韓国政府は一層困難な立場に追い込まれそうだ。