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▲国立中央博物館に展示された日本僧侶・大谷光瑞が日帝強制占領期間に中央アジアで略奪してきた過去のシルクロード遺物の解説カードに「1916年入手」とだけ書かれている。

先月31日、ソウル龍山区(ヨンサング)国立中央博物館3階中央アジア室。週末をむかえて多くの子供たちが両親と一緒に展示を見にきた。壁画と彫刻、仏像など各種エキゾチックな遺物等を見て子供たちは好奇心を示した。

展示解説は観覧客に「日本の大谷光瑞が収集して我が国に持ってきたもの」と説明した。ところが一部の観覧客は中央アジアの遺物がなぜ我が国にあるのか、解説に書かれた「1916年入手」の意味が正しく理解できなかった。これらの遺物は1910年代、日本の僧侶・大谷が中央アジア一帯で盗掘したり略奪したものが相当数ある。いわゆる「大谷コレクション」と呼ばれるものなどだ。

当時、大谷は中央アジアあちこちにあった遺物らを不法的に搬出したことが分かった。国立中央博物館が日帝強制占領期間に日本が略奪した文化財を展示しているわけだ。博物館側によれば解説に書かれた「1916年」は大谷から遺物を買い入れた日本の鉱山財閥・久原房之助が当時、朝鮮総督だった寺内正毅に遺物を寄贈した年だった。

1945年に敗亡した日帝がこの遺物を日本に持っていけず、国立中央博物館が所蔵することになった。博物館側は朝鮮総督府が遺物の寄贈を受けた1916年を遺物入手年と解説カードに紹介している。これについて一部では日帝の略奪文化財を該当国に返還せず国立博物館に展示してもかまわないのかという論議が出ている。

博物館関係者は「遺物の複雑な事情のため『1916年入手』と表記した。大韓民国政府が略奪した文化財ではないので略奪文化財ではない」と話した。また「略奪文化財といっても1995年に締結した『盗難または不法発掘された文化財の国際的返還に関する協約』等によって1995年以前に搬出された文化財は戻さなければならない法的な理由がなく、正当に所有中だ」と付け加えた。

昨年、文化財庁国政監査によれば現在まで把握されている私たちの国外搬出文化財は16万8000点余りに達する。これら文化財の大部分が日帝強制占領期間に不法流出したが、国立中央博物館の論理のとおりなら私たちも搬出された文化財を返してもらう根拠がなくなる。

「文化財自分の席探し」代表へムン氏は「略奪文化財を国立中央博物館で展示するのは不名誉なこと」とし、「遺物所蔵の経緯もきちんと説明して観覧者などが大谷を『立派な人』と勘違いすることだけは防がなければならない」と話した。

キム・チャンホ記者

ソース:京郷新聞(韓国語) 国立中央博物館「日本人略奪文化財」展示大丈夫ですか?
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201801042143015&;code=940100&