統一王朝ではないが、古代に殷という国があった。殷は甲骨文字を生み出した。甲骨文字こそが漢字の礎である。
また孔子は自ら、殷の末裔を名乗っている。殷は漢民族が忌み嫌う入墨をする習慣があった。殷は後に金や清を建国する女真の国家だった。
漢字も異民族が考案したものであり、孔子も漢民族ではなかった。儒教も異民族文化だったのだ。漢民族は世界一の増殖力を誇るきわめて生命力旺盛な民族ではある
文化的にはさほど優れた民族ではなかった。
韓国の中央日報 女真・入墨に関するコラム
中国の歴史教科書にはチンギス・ハンが自国の英雄として登場する。もうとんだ噴飯ものである。
豊臣秀吉が明征伐に成功していれば、豊臣秀吉も中国の英雄になっていたわけだ。全く同じ理屈である。
日本では日本列島の人間の歴史と日本民族の歴史と日本国の歴史の3つがほぼ一致している。
ところが中国では長江流域の人間の歴史(国土の歴史)と漢民族の歴史と国家の歴史(今の中国は1949年建国)の3つがぜんぜん一致していない。日本は奇跡的にあまりに恵まれすぎた歴史をもつため、中国の歴史をうまく認識できていないように思う。
たとえば温家宝氏の祖先で現中国の主要構成員ある漢民族だけにスポットを当てて歴史を構築すると、びっくりするほど無残な歴史が浮かびあがってくる。
長江流域が継続的に栄え続けたことは事実だろう。しかし漢民族がそこの主役であり続けたのは秦、漢、宋、明等限られた期間だった。他民族に隷属し民族国家をもてない無残な期間のほうがむしろ長かったのだ。
具体的には隋、唐、後唐、後晋、後漢、金、モンゴル、元、清の時代等である。先述した統一王朝以前の殷も異民族国家である。