興奮したら負けだ

自称「ネトウヨ老人」という日本人が「インターネットであなたの文章を読んだ」と手紙を送ってきた。知ってみると、日本の嫌韓書籍ブームを批判した記者のコラムを誰かが丁寧に翻訳して嫌韓サイトに載せ、それを見て反論の手紙を送ってきたのである。その次に掲載された「日本のおばあさんたちの威風堂々」というコラムは、日本の教育メーカーから挨拶のメールが来た。韓日翻訳の教材として使ったという話であった。 Google翻訳のおかげだろうか。韓日間でニュースが言語の壁を乗り越えて、リアルタイムで共有される現実を実感した。

「ネトウヨ老人」のメールでも感じたが、日本人の韓国に対する知識は相当である。これには、ポータルサイトであるヤフージャパンの影響もあるということを知った。韓国の有力メディアが日本語版サイトを作成し、国内のニュースをヤフージャパンにリアルタイムで大量に提供するからである。

「ヤフーを開くと韓国の記事でいっぱいだ。気持ちのいい内容ではない。韓国のメディアがなぜ日本に向かってサービスをするのか」、日本で生活する韓国人たちはこう不満を吐露する。彼らは「日本の右翼に口実を与え、一般の日本人には誤ったメッセージを与える」と懸念する。

読者のクリックを渇望するインターネットニュースの属性のせいだろうか。サイトは日本人の目に刺激的で韓国の本音が赤裸々に表れた記事ほど目立つように配置する。やはりクリック数のためだろうが、日本のニュースサイトにはないコメント機能もつけて右翼の遊び場となっている。

例えば、米国のNBC平昌五輪解説者の植民地支配擁護発言に対する韓国人の抗議、英国のザ・タイムスの独島関連誤報のように、日本のマスコミが扱わない記事がこのサイトのトップ5を占めている。旭日旗に似た帽子をかぶった日本選手の写真に韓国のソーシャルメディアが沸き立っているというニュースもある。

ここまで来れば、最近の日本では韓国のニュースに関する情報過剰が問題という気さえする。通常、お互いを知るということは近くなるという意味だが、韓日の間では必ずしもそうではないのだ。

韓日関係を長く見守った人々は、日本国内の「嫌韓」のルーツを2002年の韓日ワールドカップに求める。日本人がこれまで関心の外だった韓国を「発見」した衝撃が一方で、「韓国は素晴らしい」は韓流を、他方では「韓国は何様だ」と反発する嫌韓を生んだということだ。

嫌韓派の多くは、かつて韓国を好きだった人だという指摘もある。韓国が好きで訪ねて勉強してみると、韓国人の反日感情に接して最終的には不快感や裏切りを感じて転じたのである。

個人的には韓国人の反日感情は条件反射のようなものだと見ている。 「感情」だから知識と論理で武装した意識システムとは異なり、しばしば矛盾が生じることもある。 「韓国人=反日」と信じている日本人たちに「日本を訪問した韓国人は年間700万人を超える。反日ならばなぜ日本を訪れるのか」と問い返したが、記者もまたその矛盾がよく理解できない。

1990年代に韓国に留学したNHKの知人は、次第に会得した解釈法を教えてくれる。 「韓国人たちと酒を傾けてみると自尊心のために表面では反日を掲げているが、実際は暖かい本音を感じることができた。その後は大概の韓国人の怒号は情愛にあふれていると感じたよ。」

NBCの植民地支配擁護発言に韓国が沸き立つという記事に日本人がしたコメントには「事実でないならあんなに興奮する必要があるのか?」とか「日本は敗戦後に米国に占領されたが、米国を発展のモデルにした」という言葉を聞いても平気だ。事実を認めて前進したからだ。韓国は事実を消そうとするためにいつも後ろばかり見ている」という指摘もあった。もう抜け出す時ではないだろうか。韓国は先進国入りを目前にした国際社会で認められる国だ。先に興奮したら負けなのだ。

ソース:東亜日報 2018-02-14 09:32(韓国語)
http://news.donga.com/3/02/20180214/88667975/1