http://www.sankei.com/smp/pyeongchang2018/news/180219/pye1802190087-s1.html

 平昌冬季五輪が開催されている韓国のオリンピック委員会「大韓体育会(KOC)」の李起興(イ・ギフン)会長ら幹部が、大会ボランティアに暴言を吐いていたことが19日までに、明らかになった。李会長らが国際オリンピック委員会(IOC)をみくびる発言もしていたこともボランティアに暴露され、その傲慢さが韓国国内で批判されている。

 李会長らは15日にアルペンシア距離センターで行われたノルディックスキー女子10キロフリーを観戦した。その際、IOC関係者のために用意されていた席に座っていたため、職務に忠実なボランティアに移動を求められた。

 韓国の英字紙、コリア・タイムズなどによると、李会長は「IOCのバッハ会長がここにやってくるまでは動かない」と言って移動を拒否。別のKOC関係者も「IOCなんて関係ない。われわれはホスト国だ」と怒鳴ったと伝えられている。

 騒動は、ボランティアらがSNS上で、李会長らの横暴な態度に不平不満をこぼしたことで火が付いた。KOCは17日、「李会長とボランティアが和解した」としたうえで謝罪したが、李会長らが実際にどのような暴言を吐いたのかは伏せたままだ。

 李氏は、韓国の近代五種連盟副会長、カヌー連盟会長を歴任、水泳連盟会長などを歴任。2005年からはKOC副会長を務め、2016年に会長に就任した。2012年ロンドン五輪では韓国選手団の団長を務め、韓国スポーツ界の重鎮と位置づけられている。

 韓国の聯合ニュースによると、李氏は会長選挙に勝利した際、「責任の重さを感じている。みんなが一体となれるKOCとするよう努力する。自らが手本となり、行動で示したい」と、KOC会長としての抱負を示した。

 しかし、今回の騒動を見る限り、李会長の行動は、大会成功のために不可欠なボランティアとの一体感を破壊しただけで、「手本」とはほど遠い。思い上がった発言は、IOCとの関係にも影響を及ぼしかねない。(五輪速報班)