<嘘を本当と言い張る中国流交渉術>
 ・日中間の交渉ごとで、もっとも要注意なのがこの「没問題」の約束である。中国人が「問題ない」と口にするときは「問題だらけ」であることを肝に銘じるべきだ。
 ・日本人をいくら探しても「はったり」の達人にはお目にかかれない。「はったり」が下手だから日本人は交渉が下手なのだ。中国人にしてみれば、「はったり」が交渉術の中心であり、
「はったり」で相手をいかに圧倒するかが勝利の決め手だがら、上手なのが当たり前なのである。それができない日本人が交渉下手というのも、これまた当たり前なのだ。(259頁) 
<誠心誠意は「タブー」と心得よ>
 中国人がどのような戦略をつねに考えているかといえば、孫子の兵法の「至善の戦い」に行き着く。すなわち至善の戦い方として常識となっているのは、「謀を伐つ」ことであり、
次善は「交を伐つ」ことである。つまり、最善の策ははかりごとを伐つことで、二番めにいいのは外交、交渉で伐つことだとなる。
戦いの前にいかに謀を考えるか、そしていかに外交をするか、というのが中国人の心得なのである。  
 中国人にとって、交渉やつき合いは戦いに他ならない。だから日本人も、「つきあいは戦いだ」ということを忘れてはならない。日本人は対立をさけ、誠心誠意こそ最善の策と考えるが、
それは明白な間違いといえる。
近現代史を見る限り、満州事変から日中戦争まで、日本はあらゆる平和交渉において中国人に裏切られている。(261頁)  
 日本はもはや「中華にあらずんば人にあらず」というような反動国家の言いなりになっている場合ではないのだ。独立主権国家として中国に毅然と対応し、
戦争責任、国民感情を盾にした「言いがかり」「ゆすりたかり」には「それでは貴国の自己責任はどこへいったのか」と切り返す。
誠意や真心による期待や願望にすがり、安易な謝罪外交を繰返すのではなく、歪んだ日中関係を事実に即して糾すこと。そしてアジアの安定に貢献することこそ、国際社会が日本に期待することであり、
長い目で見れば、日中双方の将来への何よりの投資となる。
 中国の横暴に勝つこと。これこそが、二十一世紀日本の使命だと、私は考える。(262頁)(黄 文雄氏 「驕れる中国 悪夢の履歴書」 福昌堂)