●若手女性社員が開発

 松屋の「チーズタッカルビ定食」が開発された経緯はユニークで、普段は商品開発に携わっていない女性社員によって考案された。

 その女性社員とは、同社が4年ほど前から立ち上げた「女性活躍推進プロジェクト」のメンバー。女性の店長、店長代理から立候補制でプロジェクトメンバー5〜6人が決められ、月に1回集まっている。このプロジェクトから提案された新メニューである。

 メンバーの平均年齢は26歳。店長クラスの若手で構成されている(松屋フーズでは入社して3年で店長になれる)。

 若い女性が松屋にもっと来てもらうにために、何をするべきかを話し合う中で、チーズタッカルビに着目した。経営陣から了承を受け、商品開発部と共につくり上げたメニューだという。プロジェクトが手掛けた初のメニューでもある。

 「彼女たち自身が、チーズタッカルビを食べに行っていますから、商品を見る目線がおじさんたちとは違います。SNSに投稿して見栄えがするように、濃厚なチーズの“とろーり感”を強調するなど、今までの松屋にはなかった視点の商品になっています」(松屋フーズ、広報担当者)。

 甘辛いコチュジャンと香辛料で仕上がったソースの中に、ゴロッとボリュームあるチキンが入っており、野菜もキャベツを中心に、ニンジン、タマネギと具だくさん。チーズと絡めると程よい辛さになるのが商品の特徴だ。

 「チーズタッカルビ定食」は730円で販売されている。700円を超える商品は松屋としては高単価。しかし、2月9日より韓国・平昌で冬季オリンピックが開催された効果も出て、「売り上げは右肩上がりに伸びている」(松屋フーズ・広報担当者)とのこと。特に女性にウケており、女性客の大半がチーズタッカルビ定食を食べているという。