吉木に研究実績がない、という事実はすでに記した。そうなると、海幹校の本音は〈情報発信力〉、自らの組織に都合の良い発言を繰り返す〈ラウドスピーカー〉の確保にあるのだろうか。これも既述の通り、現在、吉木が主戦場にしているのは、月刊『WiLL』や『Voice』といった保守系雑誌である。

〈原則1年〉の任期と定められているはずの客員研究員の肩書を、就任から1年が過ぎても使い続けている吉木の姿勢について尋ねた質問には「吉木氏が客員研究員の任期を終えた事実はありません」との回答だった。

海幹校は、内規の特例を使って、吉木の任期を〈2年〉に延長していたのである。

いったい、新たな保守グループはどのような目的で、吉木や竹田を重用しているのか――。

第2回に続く。