5/2(水) 7:55配信
 【釜山=名村隆寛】韓国・釜山(プサン)の日本総領事館前で1日、市民団体や労働団体が、日本の朝鮮半島統治下で「労働を強制された」という「徴用工」の像の設置を強行しようとしたが、警察が阻止し、団体側は設置をいったんあきらめ解散した。

 市民団体は4月30日夜、現場への像の搬入を試み、警察によって阻止された。1日も現場付近でにらみ合いを続け、警官隊が像を厳重に取り囲み設置は食い止められている。総領事館は目抜き通り沿いにあり、団体側の怒声が響くなど一帯は騒然とした。道路の片側車線が集会で占拠され、交通渋滞を招いた。

 像の設置について日本政府は、河野太郎外相が先月訪韓し、康京和(カン・ギョンファ)外相に「望ましくない」と述べ、「不適切」との立場を伝えていた。

 韓国政府は日韓関係への影響を考え「外交公館の保護に関した国際礼譲と慣行を考慮する必要がある」(韓国外務省)との立場を市民団体などに伝えた。

 像は近くの歩道上に置かれたままで、1日夜も警察が取り囲んだ。

 韓国政府などは市内の歴史館などへの設置を促しているものの、団体側がこれを受け入れるかどうかは不明。地元自治体は「(設置阻止の)権限がない」とし韓国政府の直接対処を求めており、「法令に従った政府の次元で必要な措置」(韓国外務省報道官)に委ねられそうだ。

 一方、日本総領事館前には、慰安婦問題をめぐる日韓合意の精神に反し2016年12月に設置された慰安婦像が放置されており、日本の抗議にもかかわらず、自治体などに保護された状態だ。

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