文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足から1年を迎えるに当たり、外交・安全保障の専門家らは、この1年間の文政権の外交政策を振り返った。専門家らは主要国(米国・中国・日本)との外交関係について「日本・中国との外交には残念な点が多い」と評する一方で、対米外交については相対的に高い評価を下した。

 専門家10人のうち4人は、米国との外交について「よくやっている」と評価した。シン・ガクス元駐日韓国大使は「文政権はトランプ政権と基本的に性向が違うのに、米国を中心とした『(北朝鮮への)最大限の圧力』基調に合わせながら南北関係改善の道を切り開こうと努力した」と述べた。

 尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院長など5人は「普通」と回答した。尹氏は「米朝の対話機会を設けたのは良いが、今後非核化に関して期待したほどの成果が得られない場合、最悪の結果を招く可能性が高い」と指摘した。魏聖洛(ウィ・ソンラク)元駐ロシア韓国大使も「非核化をめぐる韓国政府・省庁の米国との調整は満足いくものではない」と述べた。

 対日外交に関しては、10人のうち7人が「不十分」と答えた。2人は「よくやっている」、残る1人は評価を保留した。東国大の高有煥(コ・ユファン)教授は「日本との関係が最も整理できていない。慰安婦・独島(日本名:竹島)問題が解決しておらず、南北問題でも日本が(南北関係改善に)消極的な状況」と指摘した。世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)所長も「歴史問題をめぐって曖昧な関係が続いている上、韓国政府が摩擦の原因となる事案を未来の世代に先送りしている」と指摘した。一方、延世大の金基正(キム・ギジョン)教授は「歴史問題と北東アジアの未来に向けた協力を分けて考える『ツートラック戦略』によって、韓日関係の急速な冷え込みを防いだ」と評価した。

 対中外交に関しては、10人のうち2人が「よくやっている」と回答する一方で、「どちらでもない」または「保留」が4人、「良くない」が4人だった。とりわけ、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備をめぐる中国の報復措置に対し、対応が不十分だったとの回答が多かった。高麗大国際大学院の金聖翰(キム・ソンハン)院長は「この1年で最も残念だったのが、THAAD問題に関して、中国にいわゆる『三不原則(THAADの追加配備をしない、米国のミサイル防衛〈MD〉に参加しない、韓米日軍事同盟はない)』を約束したこと」と指摘した。東国大のキム・ヨンヒョン教授は「THAAD配備に対する中国の報復が完全に終わったわけではないが、前政権によるTHAAD配備強行で困難な状況に陥っていたところを賢明に対処した」と評価した。

安俊勇(アン・ジュンヨン)記者 , イ・ミンソク記者

ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版<文在寅政権1年:対日外交、韓国専門家らは辛口評価>
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/05/07/2018050701550.html