■ロボットによるカフェ、セルフサービスの飲食店も登場

 アルバイト店員の代わりを務める「キオスク」だけではない。コーヒーのバリスタに代わる機械も登場した。今年5月、ソウル市松坡区にオープンしたロボットカフェ「ビット」では、ロボットがかぎ型の手でコーヒーを入れ、グラスに氷を入れて注ぐ。無人運営のため、価格はアメリカーノ2000ウォン(約200円)、カフェラテ2500ウォン(約250円)とお手頃だ。コンビニや大手スーパーなど流通業界でもセルフレジの導入が増えている。利用客が商品のバーコードを自分でスキャンし、決済する方式だ。大手スーパー「イーマート」は全国144店舗のうち40店舗でセルフレジを導入している。ロッテマートは現在10店舗だが、今年中にセルフレジ導入店舗を40店舗まで増やす予定だ。

 アイスクリームチェーン店「バスキンロビンス」には、自動販売機型の「アイスクリームATM」も導入された。昨年5月に登場して以降、現在では首都圏の5店舗に導入されている。バスキンロビンスを運営するSPCグループの関係者は「利用客が集中する時間帯には待ち時間を短縮でき、店を閉める夜でも自販機を稼働させれば追加の売り上げが見込める」と話した。

 セルフサービスを拡大し、人件費を削減する外食企業もある。ビュッフェ形式のレストラン「アシュリークラシック」は昨年下半期から36店舗のうち13店舗をセルフサービスに変更した。利用客はフォーク、スプーン、箸を自分で席に持っていき、食後は食器や紙ナプキンなどを自分で片付ける。流通業界の関係者は「最低賃金の引き上げが重くのしかかる外食関連企業が、高い賃金を払わねばならないアルバイトの雇用をやめて代わりの手段を模索している状況」「結局、最低賃金のせいで雇用が減少するという矛盾が起きることになる」と懸念を示した。