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ケーブルチャネルtvNの430億の大作「ミスター・サンシャイン」は旧韓末混乱期を背景にする。第1回で売国奴・イ・ワンイク(キム・ウィソン)が伊藤博文を訪ねて5万ウォンで朝鮮を売ると提案する場面が登場した。雲揚号派遣も弛緩熟が先に提案した。

雲揚号は1875年に江華島(カンファド)を攻撃して略奪した日本軍艦だ。この事件は日本の朝鮮植民地化の第一歩だった。結局、日本はじっとしていたが朝鮮人が先に訪ねてきて朝鮮侵略を提案して取り引きしたという設定だ。

この他にも「朝鮮はみな国が売れないでやきもきしているというのに?」等のセリフで当時、親日派が蔓延していたという印象を与えた。こうすれば侵略国としての日本の責任が消える。加害者の日本は受動的に取り引きに応じた存在で、朝鮮を滅びる様にした主体は朝鮮人自身ということになる。

このドラマはまた、当時、朝鮮がどれほど不条理で残酷な社会であったかを精魂を込めて描写した。そのような体制だったため、人々が国を裏切るのが当然だったという印象を与える。結局、朝鮮崩壊は自国民を親日派に追いこんだ朝鮮の自業自得だ。これでは日本の責任が消えることになる。非常に危険な設定だ。いくら親日派が沸き立っても朝鮮を侵略した主体は明確に日本だ。親日派は単に日本の手下の役割をしただけだ。

日本が胴で親日派は尻尾なのにこの作品は親日派を胴に浮上させた。さらにはこのドラマの背景になる時代はまだ親日派が本格的に蠢動した時期でもなかった。歴史を歪曲し、親日派を浮上させて日帝侵略の犯罪に免罪符を与えたのだ。

このドラマの内容のとおりなら安重根義士が伊藤博文を処断したことも問題になる。伊藤博文は単に取り引きに応じただけ、侵略の元凶ではなくなるからだ。当然、歴史歪曲論議がさく烈した。一部ならともかく、朝鮮に問題があったのが正しく、結局、親日派が蠢動したのも正しいなら、そのような歴史も描かざるをえないのではないか。

ヨーロッパならばそのようなこともある。ナチの侵略犯罪が歴史的事実で完全に公認され、加害者のドイツが繰り返し謝った。この程度の状況なら被害者側の複雑な事情を描いた作品も可能だ。しかし、日本はまだ侵略の歴史を否認し、さらに最も大きな被害者の我が国に対しネット右翼らが第二次加害まで犯しているところだ。

この様な状況で被害者の私たちの内部の複雑な事情を描いて日本の責任を希薄にさせるのは不適切だ。すでに歴史が整理されたヨーロッパですら、ナチにやられた被害者内部の複雑な事情を描いてナチの罪を減らすことはない。ナチは相変らず悪の胴に描かれるだけだ。

日本は救済不能な朝鮮を日本が近代化させてやったという植民史観を流布した。「ミスターサンシャイン」は朝鮮がどれほど凄惨な状況であったか描写しながら結果的に植民史観と似た設定になった。問題はこの作品が韓流大作でネットフリークスを通じて全世界に放映される点だ。東アジアで格別の注目をあびることも確実視される。

そうでなくても日帝の罪状に対する世界の人々の認識がナチに比べてとても微弱なのが問題だった。ナチ象徴物は徹底的に禁止しながら日帝旭日旗は放置するのが西欧の現実だ。この作品がそのような現実をより一層悪化させる可能性がある。製作スタッフはこれからでも日本が侵略犯罪の主体で明らかな加害者であり朝鮮は被害者という点をドラマに入れる必要がある。

ハ・ジェグン/文化評論家

ソース:文化日報(韓国語) ミスターサンシャイン、「日帝責任論」が抜けた危険な設定
http://www.munhwa.com/news/view.html?no=2018072401032612000002