日本政府が2018年年度の平均最低賃金を前年より3.1%(26円)引き上げ、1時間874円に決定した。2002年に現在の算定方式を導入して以降、最大の引き上げだというが、引き上げ幅は韓国ウォンに換算すると263ウォンだ。これは韓国の今年の引き上げ幅1060ウォン(約105円、16.4%)の4分の1程度に相当する。それでも日本の中央最低賃金審議会では激論が繰り広げられ、「産みの苦しみ」があった。25円なのか、それとも26円なのか、と1円の差をめぐり深夜まで10時間以上に達するマラソン会議が行われたという。経済への影響が大きい最低賃金に関する問題は、このように慎重に決定しなければならない。大統領が一言発すればそのまま付き従う韓国とは対照的だ。

 読売新聞は「企業は負担増で悲鳴」という見出しを付けた。日本経済は今、30数年ぶりという好況を享受し、企業の経営実績は大きく好転している。企業は人手が足りずに求人難となっている。そういう日本企業でさえ人件費の負担が大きくなると心配している。日本でそうならば、韓国企業や中小企業経営者・自営業者らの衝撃は言うまでもない。

 事実上、韓国の最低賃金は既に日本を上回っている。韓国の来年の最低賃金(8350ウォン=約825円)は日本の47都道府県中32道県よりも絶対金額そのものが高い。その上、韓国は日本を含むほとんどの国にない週休手当があり、これを合わせた実質最低賃金は1万30ウォン(約990円)に達する。これは、日本で最も高い東京(9949ウォン=約983円)よりも高い。これを正常だと考える人は多くないだろう。正常ではない経済措置を推し進めれば、必然的に副作用が伴う。多くの人々が目にしているように、経済的に厳しい人々はいっそう厳しさを感じている。

 韓国の最低賃金委員会は、名称こそ「委員会」だが、事実上は政府の意思を通過させる「通過委員会」だ。多くの国々が導入している業種別差別化案も否決した。「コンビニや小規模飲食店など負担能力が低い業種については最低賃金を相対的に低く策定しよう」という合理的な方策すらできないようにした。所得主導の成長実験をするために、このような無謀なことを強行している。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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