「韓国女子留学生の投稿」

「私は、アメリカの大学院で指導教授たちに言われた次の言葉を、今なお忘れる事が出来ません。
『日本の植民地は、その後いずれも経済発展したではないか。そんな結論の出ている問題を今更どうして研究するのか?』
米国の名門ラトガース大学のローデン教授は、私が博士論文の主題に『日本が朝鮮半島を植民地支配した時代の教育と女性問題』について研究したいとの計画を説明すると、このように反問しました。
『文明のシステムを、日本の植民地主義は朝鮮半島に導入したのではないか?
スペインやアメリカやイギリスは、日本のように本国と同じような教育システムを植民地に導入しなかった。当時の朝鮮半島の人々は文明のシステムを独自の力で導入するのに失敗した。
日本の植民地主義なしで、あれほど早く文明の世界システムに入れただろうか?』
私は、この発言に怒りが込み上げ懸命に反論しようとしたが、頭の中が真っ白になり感情だけが高ぶったのを覚えています。
「そんな論文を書いたら、韓国に戻れなくなる!」との不安が一瞬心をよぎりました。論文の相談をした別の経済学専攻の教授は、『植民地化された国家の中で韓国と台湾ほどに発展した国家はない。
アメリカやイギリスの植民地で、台湾や韓国ほど発展した国があるか?』とまで言うのでした。
私の不満そうな表情を見たローデン教授は、次のようにも問いかけました。
『日本の植民地支配を非難する韓国人の留学生の一人が、自分の父親が東京帝国大学出身であると自慢げに話した。これは、暗黙のうちに日本が導入した文明のシステムを評価していることになる。
本来なら、東京帝国大学を卒業した父親を非難すべきではないか?』
こう言われてみると、確かに東京大学はもとより、京都大学、早稲田大学、慶応大学を卒業した事を誇りにする韓国人は少なくないのです。当然韓国の側に立ってくれると思った第三者のアメリカ人学者の発言は、ショックでした。
こうして私は1997年に『The Doomed Empire : Japan in Colonial Korea 』
(滅亡の帝国:日本の朝鮮半島支配)を、英国で出版しました。
http://www.bookfinder.com/dir/i/The_Doomed_Empire-Japan_in_Colonial_Korea/1859724698/