その正当性をひねり出し、脛の傷に絆創膏(ばんそうこう)を貼る必要があった。
韓国の歴史認識という「正しさ」の捏造(ねつぞう)である。韓国のいわゆる民族主義観は次の4点から成る。

(1)高度な文明国だった朝鮮が野蛮人とみなされていた日本人に侵略され侮辱された
(2)朝鮮統治における「改善」は、朝鮮人を効率的に搾取し支配し同化するため日本が朝鮮近代化を必要としたにすぎない
(3)統治時代、朝鮮人民による解放闘争が継続的に行われた
(4)日本人が朝鮮人に対する非人道的方策を推し進め一方的かつ高圧的に臨んだため、抵抗運動は活発化し同化政策は失敗した−である。

今日では、韓国の経済史学者、修正主義史観の米学者、日本の地道な少数の学者たちの努力によって、
韓国の民族主義史観は韓国以外の地ではすでに崩れている。

まず李氏朝鮮に高度な文明などなかった。李朝五百年は中国から学んだ朱子学の儒礼の実践、消化に費やされ、
経世済民を思わぬ李朝政権により朝鮮は貧窮に閉ざされていた。日韓の保護条約は高宗王が大臣5人に丸投げして生まれた。
「そちたち良きにはからえ」と王が言った史料が3カ所から出ている。
よって不法ではない。不法なら時の列強がそれを盾にたちまち襲いかかったことだろう。

収奪史観は日本のマルクス主義者たちが教えた方法である。が、貧窮の朝鮮には収奪するものがそもそもなかった。
インカ帝国のように金でも採れれば収奪しようもあったろうが、何もなかったので他の植民地支配のように過酷にはなり得なかった。
労働を知らない彼らにその価値や意義から教えなければならなかったことが日本による「改善」其(そ)の一であった。

別に私は韓国が憎くて書いているのではない。このままでは日本の植民地統治が世界一残酷だったと教えられ、
テロリストや爆弾魔を解放運動の雄だと刷り込まれた韓国の若者が、
海を渡り過激な行動に走る危険性があると指摘せざるを得ないから書くのである。