「護国の殿堂にそぐわず」…旭日旗が「憎い」
 韓国でも絶大な人気のあるワンピースの展示会は当初、ソウルの戦争記念館で7月12日から開催予定だった。だが、記念館側が開催直前になって主催者に会場の貸し出し中止を一方的に通告した。
 原作に旭日旗を連想するデザインが登場する日本の漫画をよりによって戦争記念館で開催するのは何事か−というクレームが相次いだことが理由だった。
記念館は「不必要な騒ぎを招きかねない」と判断したと説明した。
 戦争記念館は、朝鮮戦争(1950〜53年)の戦死者らをたたえ、国防の重要性を啓発する、いわば“韓国ナショナリズム”の殿堂だ。記念館は、ホームページで、開催による混乱は「『護国の殿堂』にそぐわない」とも主張した。
 記念館が会場提供を拒否したとのニュースを受け、アニメファンの間に落胆が広がった。
相次ぐ“旗狩り” ユニホームを標的、禁止法案も
 妻や子供とワンピース展に行くのを楽しみにしていたという男性は、「戦争記念館で日本のアニメ展をするのは、最初から無理があったようだ。中止は韓国人の感情からして仕方がない」とネットに書き込んだ。
 こうも強調する。「重要な事実は、韓国領内で『戦犯旗』がはためくことがあってはならないという点だろう」
旭日旗については、韓国で最近、“戦犯旗狩り”といえるほど、ことあるごとにやり玉に挙がる。
 サッカー・ワールドカップ(W杯)日本代表のユニホームが、旭日旗をデザインしているとの非難が盛り上がり、韓国人教授が今年5月、
米紙ニューヨーク・タイムズに批判広告を掲載した。2012年のロンドン五輪でも、
体操日本代表のユニホームが旭日旗をイメージさせると、
韓国メディアが騒ぎ立て、韓国側が国際オリンピック委員会(IOC)に抗議する騒動となった。
 韓国国会では、公共の場での旭日旗の使用に罰則を科す法案まで提出されている。
 ワンピース展騒動で、ネットでは、「記念館側はなぜ最初から拒否しなかったのか。主催者側もなぜ戦争記念館と契約したのか」と根本的な疑問を投げかけ、「韓国人が日本の問題になれば、
恐ろしい執拗(しつよう)さをみせるかあらためて実感した」とする意見もあった。