ご存じかと思いますが、これは戦争目的にも外れる、戦時国際法違反とは全く異 なる犯罪です。ユダヤ人は元々、ドイツ国籍の人間であるにもかかわらず、ユダヤ人 種であるというだけで迫害、虐殺したの
です。その範囲が戦争によって拡大したわけ です。これに対して、日本はこのナチス的な「人道に対する罪」は全くおかしていま せん。ニュールンベルグ裁判条例の C項がこの犯罪でした
ので、 C 項犯罪と呼ばれていますが、これには時効が適用され ない、正に特殊な犯罪です。占領軍は、日本も当然この C 項犯罪を犯しているに違いない、と考えて、憲兵隊、特高を
中心に徹底的に調査を したのですが、たったの1件もこれに該当する犯罪はでてきませんでした。当然で す。日本はそのような犯罪などとは無縁の国だったからです。

それどころか、第1次大戦後のパリ平和会議において、日本代表の牧野伸顕は、 世界史上初めて国際規約のなかに、「人種平等。人種差別撤廃条項」を盛り込むこと を提案しました。採決で、17対11で
多数を得たのですが、議長のアメリカ大統領 ウィルソンが、突如「こんな大事な問題は全員一致で決めるべきだ」などという理屈 にならない理屈で、この日本提案を葬ってしまったのでし
た。こういう事実を多分ご 存じ無いと思いますが、これは真実です。この精神に基づいて、ユダヤ人差別せず、 という方針が、ドイツと関係が密接になってからも確認され、満州
では日本軍のバッ クアップのもとで「極東ユダヤ人大会」が1938年から3回にわたって開催されて います。そして有名な、杉原千畝の命のビザが6000人のユダヤ人の
命を救うこと にもつながっていきます。彼が、政府の方針に抗してビザを発行したなどと言うの は、デマ以外の何者でもありません。当たり前です。もし、不当なビザだと
政府が考 えていたとすれば、敦賀港に着いたユダヤ人は、入国を拒否されたでしょう。
ピルグリムファーザーズ [Pilgrim Fathers]