李朝にはそんな勇気はない。軍事力が違いすぎる。むしろ馬とか女とか援軍とかをシナに要求された。馬はしぶって分割払いして数を減らして誤魔化(ごまか)す。女は明時代には働き者の下女が人気だった。
清時代になると女色を要求されたので、妓生(キーセン)を送って誤魔化した。
≪伝統として続く「濫赦の弊」≫ この誤魔化し・逃げ口上を漢文で「●塞(とうそく)」という。朝鮮の外交史は●塞の歴史だ。援軍を要求されると、倭寇が攻めてきて忙しいからいけないと誤魔化した。
こういうのをシナと朝鮮の宗藩関係とかいうのである。手なずけとばかし合いの関係だ。
 このような朝貢外交しか知らない中国が、西洋勢力の進出で半植民地状態に陥り、ついで軍閥割拠する戦乱の地となり、日本が進出してくると国共内戦がらみで三つ巴(どもえ)となり、共産軍が勝って社会主義国となり、
西洋外交を知らない年月が延々と積み重ねられて100年を超えた。
近代になって「蛮族」にあげられる物のなくなった中国は今、アジアインフラ投資銀行(AIIB)とか、中韓の自由貿易協定(FTA)などの朝貢外交に余念がない。だが、後者ではすでに中身が空っぽである。農産物や自動車などの主力商品が関税撤廃の対象外になっている。
崩壊した対岸の国の「法治主義」 筑波大学大学院教授・古田博司
現代の韓国では法治主義が崩壊し、李朝並みの濫囚・濫刑・濫赦(みだりな逮捕や刑罰・恩赦乱発)に戻りつつある。産経新聞社の加藤達也前ソウル支局長起訴やセウォル号船長の死刑求刑などがそれである。
「濫赦の弊」は伝統としてずっと続いてきた。蓄財で逮捕された元大統領や左翼運動で死刑判決を受けた元学生などが平然と出獄し、豊かな老後を送ったり、死刑宣告を勲章に左翼議員として返り咲いたりするのはこのためである。蓋(けだ)し、
われわれの海の対岸にいるのはこのような人々であり、別に驚くにはあたらない。(ふるた ひろし)