徴兵制のある韓国で、検察当局は17日までに、宗教的理由などで軍隊への入隊を拒否する「良心的兵役拒否者」の信仰の真偽を判断するため、銃火器を扱う戦闘ゲームの利用履歴を基準の一つとする指針を策定した。韓国メディアが報じた。

検察は、宗教上の理由で銃を持てないとして入隊を拒否するケースの反証に用いる考え。ただ、兵役拒否者の裁判を支援する人からはインターネット空間と現実世界での射撃を同一視すべきではないとの指摘もあり、基準に対する疑問の声が出ている。

韓国では正当な事由がないのに入隊を拒否した場合、兵役法違反の罪に問われる。韓国最高裁は昨年11月、宗教的理由で入隊を拒否し、同法違反に問われた男性に関し「正当な拒否事由に当たる」と判断、事実上の無罪判決を言い渡した。

最高裁判決を受け、900人以上が判決を待っているとされる同種裁判では無罪が相次ぐ見通しとなった一方、検察にとっては「虚偽の信仰」と疑われる事例を、どのように証拠で裏付けるのかが課題となっている。

韓国メディアによると、韓国最高検は昨年12月、「信仰の期間と実際の宗教活動」「信仰の動機と経緯」など10項目の判断基準を策定。この中に、銃火器を使い他のプレーヤーを倒すネットゲームの会員に登録しているかどうかも加えられた。(共同)

https://www.nikkansports.com/general/news/201901170000889.html
日刊スポーツ[2019年1月17日20時37分]