【ダボス=共同】

河野太郎外相は二十三日、スイス・ダボスで韓国の康京和(カンギョンファ)外相と会談した。韓国最高裁が新日鉄住金に賠償を命じた元徴用工訴訟を巡り、個人請求権の問題は日韓請求権協定によって解決済みだとして、問題解消へ政府間協議の受け入れと韓国政府の適切な早期対応を要請した。

康氏は文在寅(ムンジェイン)大統領が十日の記者会見で司法判断の尊重を表明したことを踏まえ、同様の主張を繰り返し、平行線をたどった。

韓国国防省は二十三日、日本の哨戒機などが今年に入って三回、韓国軍艦艇に低高度で接近する「威嚇飛行」をしたと発表。外相会談では、それぞれが相手への抗議の意を示し応酬となった。外交当局間で意思疎通を緊密にすることが重要だとの認識では一致した。

韓国海軍艦艇による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題も協議。康氏は、日本の対応に憂慮を表明。「両国の国防当局間の協議を通じて早期に解決する必要がある」と述べ、日本が打ち切り方針を決めた実務協議の継続を要請した。


2019年1月24日 東京新聞 朝刊
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