朝鮮学校を訪問し、交流するツアーが9日、川崎市川崎区桜本の川崎朝鮮初級学校で開かれた。参加者は朝鮮語や民族楽器「チャンゴ」を使った授業などを見学。生き生きと学ぶ子どもたちの姿に触れ、朝鮮学校を取り巻く厳しい環境に思いをはせた。

 同校は日本の植民地支配で奪われた言葉や文化、歴史を取り戻そうと1946年に設立。在日コリアンが多く暮らす桜本にあって現在3、4世の1〜6年生33人が通う。

 ツアーは教職員組合や市民団体でつくる実行委員会が主催。拉致問題などを理由に県の補助金打ち切り、高校無償化からの排除と理不尽な差別政策を受けている朝鮮学校の現状を知り、支援の輪を広げようと3回目を数えた。

 参加者は、朝鮮語だけでなく日本語や英語を学ぶ子どもたちの様子を見学した後、教員や卒業生の高校生らと車座になって交流。暴行事件が相次ぎ登下校で女子生徒がチマ・チョゴリの制服を着られなくなったことや補助金再開、無償化適用を訴え、生徒が署名活動に取り組んでいることが話題に上った。

 桜本に60年暮らし、初めて同校を訪れた日本人女性は「地元では当たり前の存在として知られているが、署名活動は初耳。子どもたちにそのようなことをさせている私たちの社会の問題だ」と話した。4年生の担任の高(コ)蓮希(リョニ)さんは「秋には交流イベントもある。知り合いを連れてまた学校へ来てほしい」と呼び掛けていた。

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神奈川新聞 カナロコ 2019/02/10 02:00

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朝鮮の太鼓「チャンゴ」を使ってリズムを学ぶ子どもたち=川崎市川崎区の川崎朝鮮初級学校