韓国・米国・日本の三か国の外交・安保当局者による第11回防衛実務者協議(DTT)が9日、ソウル市内で開催された。

 今回の協議は、強制徴用賠償問題やレーダー・哨戒機問題で韓日関係が悪化し、さらに北朝鮮問題をめぐって韓米が微妙な立場の違いを見せる中で行われた。そのため当初は、韓米日の三か国協力が復活する契機になるとの期待が高まっていた。

 しかし、協議に先立ち、米・日が米国大使館で二国間だけの協議を実施したため、「米日が韓国政府に不信感を抱いているのではないか」との懸念が示されている。

 韓国軍の関係者はこの日「米国防総省アジア・太平洋安全保障担当のランドール・シュライバー次官補と、防衛省の石川武防衛政策局次長がDTTに先立ち米国大使館で会い、安全保障の懸案について話し合ったと聞いている」と話した。

 DTTの前に米日二か国による協議が大使館で行われたのは初めてだ。韓国ではこれまでDTTが2回開催されており、2013年に済州島のホテルで、16年には韓国国防部(省に相当)の庁舎で行われた。その際、二か国による協議が会場近くで行われたことはあるものの米国大使館で行われたことはなかった。韓国軍内外では「韓国を信頼していない米日が、先に大使館で隠密に会ったのではないか」との話が出ている。しかし国防部は「もともとその種の事前協議はあった」と説明した。

 日本メディアは、韓国と日本が今月末に防衛相(国防相)会談を開催する方向で調整に入ったと報じた。今月31日から来月2日にかけてシンガポールで開催されるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)に合わせ、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防長官と日本の岩屋毅防衛相が会談する予定だという。

 韓日の国防相会談は昨年10月に行われて以来となる。岩屋防衛相は、4日の北朝鮮のミサイル発射に関連して「米国、韓国と緊密に連携し、必要な情報収集と分析、警戒監視に全力を傾ける」と述べていた。しかし今回、会談が実現したとしても、形式的な話し合いに終わるとの見通しが示されている。韓国軍の関係者は「シャングリア会合に二人とも出席するのに、会わないというのもおかしい」とした上で「単に会っただけで終わる可能性も高い」との見方を示した。

李河遠(イ・ハウォン)特派員

http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019050980232
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/05/09 22:22