日本を国賓訪問したトランプ米大統領が28日、米国の大統領としては初めて日本の空母級護衛艦「かが」に乗船した。

日本による真珠湾攻撃の先鋒(せんぽう)に立った空母「加賀」は1942年のミッドウェー海戦で米軍に撃沈されたが、2015年に空母級護衛艦として復活した。日本は今後、同艦にF-35B戦闘機を搭載するという。

安倍首相は「日米同盟はこれまでになく強固になった。この艦上に我々(安倍首相とトランプ大統領)が並んで立っていることがその証しだ」と言った。

日本は米国のF-35戦闘機を、当初予定していた42機のほかに105機追加購入することにした。F-35の開発に参加してもいない日本に対して米国が関連機密を提供すると明らかにしたのに続くやり取りだ。

こうした「日米蜜月ムード」の中、トランプ大統領は在日米軍海軍基地を訪れて、東海をためらうことなく「日本海」と呼んだ。これは単なる失言だろうか。

トランプ大統領との会談を終えた安倍首相は来月、米国と対立しているイランを訪問する。幅広く迅速に動いていると評価せざるを得ない。

中国と日本は歴史問題・領土問題から脱して急速に関係を修復している。両国は31日にシンガポールで行われるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)での国防相会談を推進している。先月の中国での観艦式には日本の自衛隊艦が旭日旗を掲げて参加した。

日中外相は既に「両国関係の正常化」を宣言した。日本は習近平国家主席が力を入れているシルクロード経済圏構想「一帯一路」を話し合う会議に代表団を派遣し、中国は牛海綿状脳症(BSE)を理由に中止していた日本産牛肉の輸入を再開した。

来月、大阪で行われる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)では日中首脳会談も予定されている。

周辺情勢において「新・合従連衡」(がっしょうれんこう=その時の利害に従い、結びついたり離れたりするたくみな外交政策)が行われている中、韓国の外交は完全に「ひとりぼっち」状態だ。韓国国会外交統一委員会所属の議員5人は29日、日本に行って冷遇された。

尹相現(ユン・サンヒョン)外交統一委員会委員長(3選)、千正培(チョン・ジョンベ)議員(6選)、兪奇濬(ユ・ギジュン)議員(4選)、鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員(4選)、李貞鉉(イ・ジョンヒョン)議員(3選)というベテラン議員たちが行ったにもかかわらず、日本の衆議院外務委員長との面談は拒絶され、参議院外交防衛委員長がたった1人で出てきた。

委員長とは言え、比例代表当選1回目の議員だ。尹相現委員長は「(強制徴用判決関連で)日本が要求した仲裁委員会設置を韓国側が拒否すれば、大阪G20サミットで韓日首脳会談を行わないと言われた」と話す。日本で開催される会議に出席する韓国大統領が、日本の首相と会談できないなんて考えられるだろうか。

国が過去の歴史問題と現実を区別できなければ外交は成立しない。韓日関係は既に外交が成立しない状況に入っている。これが韓国の国益にとって何の助けになるというのか。G20サミットで韓米日3カ国首脳会談の開催は未定だが、米日印首脳会談は確定しているという。日米が「自由で開かれたインド・太平洋戦略」を推進する一方、韓国政府がこれを拒否することで、「韓米日」が「日米印豪」に移行すれば、韓国の居場所はどこにあるというのか。

米中が「反ファーウェイ(華為技術、Huawei)」と「南シナ海の航行の自由」をめぐり正面衝突する中、G20サミットが行われれば、韓国は「明確な見解を打ち出せ」と米中双方から圧力を受ける可能性が高い。このような難題を解決すべき韓国外交部(省に相当)は「規律のゆるみ問題」で満身創痍(そうい)状態にあり、大統領府は「韓米首脳電話会談内容漏えい問題」であら探しをして野党を攻撃するのに忙しい。

南北関係さえうまく行けば地域情勢を主導できると考えていた韓国政府の国家戦略は、食糧支援提案すら「みっともない」という北朝鮮の非難で行き詰まっている。韓国外交は今、どこにあるのか。いや、本当にあるのだろうか。

2019/05/30 11:15
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