防衛省は11日、中国初の空母「遼寧」が同日午前、沖縄本島と宮古島間を通過し、東シナ海から太平洋に出たと発表した。領海侵入はなかった。遼寧が両島間を通過するのは3回目。対立を深める米国をけん制する狙いがあるとみられる。

 同省によると、警戒監視中の海自艦が発見した。最新型の補給艦「フユ級高速戦闘支援艦」やミサイル駆逐艦など計5隻が随伴。西太平洋で長期訓練を行う可能性がある。

 中国は、今年に入って米軍艦艇の台湾海峡通過が続いていることに反発を強めており、台湾有事などでの米軍の介入に備え、空母の運用能力を高める目的もあるとみられる。

 遼寧は2016年12月に初めて両島間を通って太平洋に出た。昨年4月には逆に、太平洋から東シナ海に入った。

 また、防衛省は11日、ロシア海軍の駆逐艦2隻が3日から8日にかけて両島間を計4回通過したと発表した。このうち1隻は、7日にフィリピン海で米巡洋艦と異常接近した駆逐艦だという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20190611-OYT1T50261/
讀賣新聞 2019年6月11日(火)