(台北 12日 中央社)蔡英文総統は11日夜、フェイスブックで、香港で起きた「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモへの支持を改めて表明した。「中国が香港で実施する一国二制度は失敗」との考えを示し、民主主義や自由を守る姿勢を強調した。 

蔡総統は自身が若い頃の台湾には十分な出版や言論の自由がなく、自由の空気があった香港は「本を買う場所」だったと振り返った上で、1997年の香港返還からこれまでで台湾は民主化、自由化したのに対し、香港は自由を失おうとしていると言及。主催者発表で100万人余りが参加したとされる9日の大規模デモに触れ、「民主主義国家がこれほどの抗議に直面したら、政府の指導者は自身の政策に誤りがないかを考えることを余儀なくされる」と一般論として述べ、「だが香港政府にはこのような反省は見られない。北京からの指令を繰り返し述べているだけだ」と批判した。 

その上で「これは中国が香港で実施している一国二制度の失敗を示している」とし、「国家の主権の消滅を目的としたいかなる行為も決して受け入れず、法改正を前提とした個々の引き渡しの受け入れを拒否する。民主主義と自由は全ての台湾人が大切にする価値観なのだから」と中華民国政府としての立場を強調した。 

また、人権保障や民主主義、法治に対する香港の人々の切なる願いや諦めない固い意志は伝わっているとし、「現在は呼吸するかのように当たり前であるけれど実は得難い全てのものを大切にしようと台湾の若者に考えさせるきっかけとなった」とつづった。 

投稿では、香港に住む台湾人とかつて台湾に住んでいた香港人の2人からなるユニット「爵爵&猫叔」が描いたイラストを紹介。イラストでは、市民と一緒にガッツポーズで声援を送る蔡総統のキャラクターとともに、「香港こらえて 台湾は守り抜く」「台湾は香港を支持します!」のメッセージが添えられた。 

(温貴香/編集:名切千絵)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201906120003.aspx
中央社フォーカス台湾 2019/06/12 15:17