上半期の韓国に対する外国人直接投資規模が急減した。景気鈍化にともなう世界的な投資萎縮と米中貿易対立激化などにともなう韓国経済の対内対外不確実性が大きくなった影響と分析される。 

  産業通商資源部が11日に明らかにしたところによると、上半期の外国人直接投資(FDI)は申告ベースでは98億7000万ドルで昨年上半期の157億5000万ドルに比べ37.3%減った。実際に投資が行われた到着ベースでは同じ期間に102億2000万ドルから56億1000万ドルにほぼ半分となった。 

  これに伴い、韓国政府の「5年連続200億ドル投資誘致」という目標にも非常灯が灯った。投資萎縮が韓国経済の足を引っ張っている状況でそれなりに善戦していた外国人投資まで凍りついた形だ。 

  地域別に見ると中国の減少幅が目立った。申告ベースでは前年同期比86.3%減の3億ドル、到着ベースでは90%減の7000万ドルを記録した。中国国内の負債リスクと金融不良拡散にともなう資本流出に対する厳格な統制により海外投資余力が減少したものと産業通商資源部は解説した。 

中略

  産業通商資源部関係者は「世界全体で外国人直接投資が多様な不確実性要因のために萎縮している。それでも付加価値と技術集約度が高い先端技術と新産業分野で外国人直接投資が韓国に持続的に流入している」と説明した。 

  米中貿易戦争激化と企業業績不振など内外で不確実性が拡大している点も外国人の投資心理を萎縮させたと分析される。景気が下り坂を歩いている状況で輸出と内需が萎縮した。最低賃金引き上げと週52時間労働制施行、強硬労組の相次ぐストなど企業経営に負担を与える要素が増えたために投資先としての魅力を失っているということだ。 

  檀国大学経済学科のキム・テギ教授は「1−3月期に韓国の製造業者が海外に投資した金額が過去最大を記録するなど韓国企業の脱韓国現象が深まっているのと同じ脈絡で理解できる。各国は先を争って規制改革に乗り出しているが、韓国は反企業政策でますます起業するのが難しい環境に変わっている」と説明した。 

  問題はこれからだ。米中貿易紛争関連の雑音が相変わらずの状況で世界的な景気下降、日本の輸出規制まで困難が一気に目の前に迫ってきた。韓国経済をめぐる不確実性だけがさらに拡大しているという話だ。これにより投資が減れば雇用もともに消え、これにより所得が減れば全般的な消費不振につながるという点で韓国の経済成長率をさらに引き下げかねない。 

  特にFDIは国の産業競争力を示す間接指標だ。韓国の産業が他の国に比べ競争力を備えたとすればそれだけ外国人投資は増えるが、その反対ならば減少するのが一般的だ。外国人投資減少を重く受け止めなければならない理由だ。 

  韓国経済研究院のユ・ファンイク革新成長室長は「競合国に比べ高い法人税率、強硬な労組と硬直した労働市場、投資活性化を妨げる各種規制により韓国の投資魅力が落ちたという意味。起業しやすい環境を作らないなら外国人直接投資が劇的に反転する可能性は小さい」と予想した。産業通商資源部は「戦略的投資誘致活動とインセンティブ制度改善などを通じて年内に200億ドル誘致目標達成に向けた政策的支援を惜しまない計画」と明らかにした。

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[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]2019年07月11日 12時01分