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安倍晋三ときたら、トランプとゴルフをしてはしゃぎ回り、日本の海上自衛隊の艦艇にトランプを乗せて喜び、莫大な金をアメリカ軍需産業にみつぐ約束に明け暮れ、沖縄の軍事基地建設に熱中しているというのに、テレビ報道が一喝もしない。

 日本では、現在のマスメディアに対する信頼性が示すように、世界的にきわめて低い水準にランクづけされるほど、報道内容が落ちているのはなぜだろうか。2016年4月20日に国際ジャーナリスト組織である“国境なき記者団”(RSF─Reporters Sans Frontières)が発表した各国の報道機関のランクづけによると、この時に韓国は、朴槿恵(パク・クネ)政権がテレビ報道界を大弾圧していた最悪の時期だったので報道の自由度が「世界70位」というひどい評価を受けたが、その後は、報道界が決起して報道改革がスタートした。ところが日本は、韓国よりさらに低い「世界72位」という自由度であり、2019年になっても「世界67位」であった。これが、日本のテレビ報道に対する国際的な評価だという事実は、すべての日本人が認識しておかなければならないことである。

つまり「日本のテレビ視聴者は、日本のテレビ報道は信用できないほどレベルが低いということを知ってからテレビに向かい合う必要がある」と“国境なき記者団”は言っているのである。

 私が韓国の民主化運動の人たちと共に行動した時代に、1980年の光州虐殺事件について現地の光州で韓国の市民からくわしく話を聞いた時には、夜に、車座になって十数人の韓国の知識人と、朝鮮の酒マッコリを飲み交わしながら、どのようにすれば韓国と日本が、「米軍の軛(くびき)」から解放されるかを語り合った。その時、私がふと「この中で牢獄に入れられた人がいますか?」と尋ねると、まるで当然のように、全員が笑顔で手を挙げたのである。活動する知識人であれば、ほとんどの人が牢獄生活を体験していた。それが1988年のソウル・オリンピック後、盧泰愚(ノ・テウ)大統領〜金泳三(キム・ヨンサム)大統領時代の韓国であった。この人たちが現在までの韓国の民主化を引っ張ってきた主役であり、当時彼らは「まだたくさんの知識人が投獄されている」として、救出活動を続けていた。ところが日本に帰国すると、「韓国では民主化が進んでいる」と、大新聞がまったくの大嘘を書き立てていた。

 現地に飛びこんで多少の危険を冒さなければ、現実問題を体得し得ないというのが真のジャーナリストの直感である。現在で言うなら、シリアしかり、パレスチナしかり、北朝鮮しかり、である。