>>1のつづき

このような嫌悪表現を減らすにはどうすれば良いのだろうか?『嫌悪表現、差別のない世の中作り』の著者イ・スンヒョン氏は、「嫌悪表現は単なる “とても嫌いだ” という感情を現わす表現ではない。社会の少数者集団を言葉で攻撃して、彼らに差別と暴力を加えても良いという考えを広める表現である」と説明する。

著者は、「嫌悪表現を減らすためには、嫌悪表現が含まれた内容が正当な主張ではなく偏見と差別意識から出てきたものという点を理解し、知らせる必要がある」と主張する。このために様々な人権教育とキャンペーンなどの必要性を力説し、繰り返される差別のしがらみを解くために市民と政府の双方が努めなければならないと付け加える。

著者の提案の中で特に注目することがあり、それが『対抗メディア』と『少数者割当制』である。対抗メディアは歪曲された事項を正し、嫌悪表現がいかに他の人々を傷つけるのかを積極的に伝える方法論である。著者によれば、対抗メディアは公的討論の場に参加できない人々がいるのかを察し、彼らが声を出せる基盤を用意することで完成する。

次に、社会的少数者が国会を筆頭にした公共機関や私企業にもっと多く進出できる道を開くことが少数者割当制である。これらが青瓦台(大統領府)や国会など国家の重要な意志決定機構で活動し、自分たちの声を出すことができれば、不平等な環境や制度を改善できる可能性がもっと大きくなるはずだ。

最後に著者は、『多様性を寛容でない社会で様々な少数者が互いに連帯して協力し、差別に反対する声を出すことは、嫌悪表現を拡散させる数多くの差別に対応する方法だ」という。 結局、市民一人一人が目覚め、目覚めた市民が連帯して少しでも大きな声を出す時、嫌悪と差別は減るだろう。

・・・おしまい☆